キートン西部成り金のレビュー・感想・評価
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オールタイムNo.1の牛映画
最近、某映画の予告映像で「今年No.1の牛映画」という字幕に笑ってしまいましたが、この「西部成り金」はそのさらに上をいく“オールタイムNo.1の牛映画”であり、内容も笑いの上をいっちゃってます。
自分がこの作品を知ったのは、ミュージシャンのビル・フリゼールの「Music For The Films Of Buster Keaton: Go West 」というアルバムから。音楽的に観賞するだけでもなかなかいいアルバムなんですが、ツアーでは大画面で映画を流してアルバムの曲を演奏していたという。なので、どうしても映像と音楽をセットで鑑賞したくて、簡易的に編集して改めて鑑賞、まさに覚醒というに相応しいぐらいの至高の作品に生まれ変わった印象でした。
というわけで、ここでのこの作品の評価は、あるミュージシャンの音楽付きでの評価になりますのでご了承ください。
この作品以上に笑えて物凄いキートン映画が─探偵学入門、セブンチャンス、大列車追跡、荒武者キートン、カメラマン等々─ほかにもありますが、優れた音楽の効果はあまりに絶大過ぎました。もともとが無声映画なので致し方なし・・・大列車追跡の崩壊シーンなんて凄いんですけどねー。キートン映画はウィキなどからほとんどフルで見ることができるので、未経験の方、ぜひ─。
ビル・フリゼールは他に、ハイ・サインと文化生活一週間のための音楽アルバムもリリースしていて、もちろんそれらも編集の上、映像と音楽をセットで鑑賞して最高に楽しんだのですが、尺が長い「西部成り金」がマイ・キートン・ベストということにしています。
アメリカ西部開拓時代、ほぼ身一つで成功を夢見て西へ向かっていく若者の物語。どの画像を見ても、画質はよくありません。それは当然なのですが、笑いと迫力と感動は、想像以上に得られる気がします。時代背景やシチュエーションはどうしても年代を感じてしまうのですが、作品の根底にある志には普遍的なものを感じます。その辺を感じとることができれば、時代を越えた映画鑑賞が出来るかもしれません。
しゅーるなくせに、熱いものを感じさせてくれる不思議なキートンの世界を、ぜひ堪能してみてください。
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