閃弾
解説
「ブラッド・シップ」「激浪の響」等と同じくジョージ・B・サイツ氏の監督作品で、リリアン・デュシー女史とH・ミルナー・キッチン氏との合作したものに基づき、サイツ氏自ら映画用に改作しあわせて台本をも作ったものである。主役は「怪騎手」「森の男(1926)」等に主演したジャック・ホルト氏で、「鵜の目鷹の目」「最後の一蹴」等出演のドロシー・レヴィア嬢が対手役を勤めるほか、ノーマン・トレヴァー氏、パット・ハーモン氏、フランク・ラクティーン氏、ジョージ・桑氏、ユージーン・ストロング氏等が助演として顔を見せる。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Warning
ストーリー
トム・フェロウスは東洋方面では悪名高い麻酔剤を商う「笑う貴婦人」号の船長として知られていた。彼はロンドン・チャーリーの魔窟「千喜館」の地下室で、イギリスの秘密探偵メリー・ブレイクと知り合いになった。メリーは香港の岸辺を密輸入者の探索にきてかえって捕らえられたのであった。ロンドン・チャーリーはトムがメリーに興味を持つのを見てとり、メリーはおれのものだといった。斯くてトムとチャーリーの間には激しい争いがあったが、トムはチャーリーを殴り倒してメリーを己が室に連れ帰り、その上で彼女を逃がした。メリーはこのトムの行動を了解しがたいので本部に帰ってから24番の朋輩にその由を語った。次で彼女は24番と共に、一味のものが密輸入品の分配をしている「群想寺院」に忍んでいった。行きつくと24番はただちに本性をあらわし、ロンドン・チャーリーの配下となり、メリーを中国の大官ツォ・リンにひき渡した。この時、再びトムが現れメリーを救わんとし、「大階段」の地下において、アー・スンの助けを得て、ロンドン・チャーリーやツォ・リンの一味の者と闘った。トムがついに傷つき倒れたとき、アー・スンはメリーにトムを連れて脱れしめ自らは爆弾を抜じて、悪党輩や寺院と共にここに勇ましい最後を遂げる。この働きにより命を完うしたメリーは、トムが実は中国におけるイギリス秘密探偵長であることを知って、彼の腕に抱かれた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョージ・B・サイツ
- 脚本
- リリアン・デュシー
- H・ミルナー・キッチン
- 脚色
- ジョージ・B・サイツ
- 撮影
- レイ・ジューン