影を売る男

解説

「非常線(1928)」「命を賭ける男(1930)」の原作者として、また「市街」の脚色者として知られたオリヴァー・H・P・ギャレットが組み立てられた脚本により「トム・ソーヤーの冒険」のジョン・クロムウェルが監督し、「愛する権利(1930)」「サラアと其の子」のチャールズ・ラングが撮影した映画で、主演者は「市街」「愛する権利(1930)」のポール・ルーカス。助演者として「赤新聞」「戦争と貞操」のケイ・フランシス、依然ヘレン・ジョンソンの名で「百貨店」に出たことのあるジュディス・ウッド、ウィリアム・B・デイヴィッドソン、ロックリフ・フェローズ、ジュリエット・コンプトン、エスター・ハワード。などが顔を並べている。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Vice Squad

ストーリー

これは男女間の乱れた風紀を取りしまって社会をより導かんとする趣旨で置かれた米国警察の風紀係が却ってその趣旨とは正反対の結果をまねきつつある事実を風刺した映画である。駐米某国大使館付若手外交官スティーブン・ルカルノは大使夫人の冒した警官轢殺事件の確証を風紀係長メーザー警部に握られたので夫人の名誉を守るため自らとの罪を引き受け警部の勧めをいれ、華やかな外交官生活を捨て、知己友人を捨て、許嫁のアリスを捨ててメーザー警部の下に卑しむべき警察の囮として働くことを余儀なくされた。以来2ヵ年、彼はこの恥づべき職業彼一刻も早く離れたかったが警部に弱点を握られているため如何とも成しがたかった。彼は両親の呵責に悶えながらも警部の命のままに囮となって多くのわかい女性を罪に陥れていた。彼は遂に現在の境遇を恥呪った挙げ句、自暴自棄となって日夜飲酒に耽る用になったが、ある夜ふと酒場で酔漢に苦しめられている若く美しい女流作家マドレーン・ハントを救った。その帰途今度は彼が地下鉄の線路に落ちんとするところをマドレーンに救われた。彼女はその住居に送り届けて手厚い介抱をしてやった。これを知った警部は嫉妬の余り策をめぐらしてマドレーンを風紀を乱す者として検挙してしまったが、ルカルノは少しもそんなことはしらなかった。一方アリスの妹と結婚せんとしたが、マドレーレの友人の知らせで彼女が無実の罪で苦しめられていることを知ったルカルノは恩人である彼女を救うために許嫁アリスの切なる願いをも省みず法廷に出て自分が恥づべき警察の囮であることを自白しマドレーンを救うことができたのである。

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