女を征服する力
解説
名映画「荒れ狂う猛将」同様セルズニック映画で、我国には名声のみ昔から聞こえ主役として公開は始めてエレン・ハンマーシュタイン嬢と、タルマッチ姉妹の相手役としてお馴染みのコンウェイ・タール氏とが共演している。エドワード・J・モンターニュ氏ジョージ・アーチェンボード氏合作の創造味豊かな大喜活人情劇的原作を映画化したものでアーシェンボー氏が監督した。昨年末発売のパリパリに新しい名画。
1922年製作/アメリカ
原題または英題:One Weck of Love
ストーリー
浮世を知らぬ富豪の令嬢ベスは熱心な求婚者フレーザーに飛行機の競争を挑み、若し男が勝てば求婚を諾すると約した。此の飛行で彼女は霧で進路を誤り、国境から数10マイルも奥深いメキシコの山間のとある小屋の所へ墜落した。彼女を救った3人の男は彼女を所有する権利をカードによって決し、結局米人バックが勝った。バックはかつては高潔な米国紳士であったが愛人に裏切られて兇猛の仮面をかぶっているのである。ベスは最初バックを憎み、怨みと怒りに燃えていたが、真に男性的なバックの情愛は彼女絶大な魅力を与え、漸時彼を慕う様にならしめた。彼女が本国の家から懸賞付で捜索されているのを知ったバックは早速本国へ通知した。迎えに来たのは求婚者のフレーザーである。彼に伴われて帰るベスの乗った汽車は鉄橋墜落の厄に遇い激流中に彼らも投げ込まれた。卑劣なフレーザーは己れのみ助からんとして遂に濁流に呑まれ溺死し、ベスは彼の如き男の唾棄すべきをしみじみ感じた。折から鉄橋椿事を予知し得たバックはこの場に来たり命を的に彼女を助けた。2人の間の障壁は全然此処に消滅した。