おしゃれ哲学

解説

「雲晴れて愛は輝く」「タイタニック」等出演のヴァージニア・ヴァリ嬢の主演する映画で、「風雲のゼンダ城」「結婚前」等を監督したヴィクター・ヒアマン氏が自ら原作を書きしかして監督したものである。脚色したのはレジナルド・モリス氏。ヴァリ嬢の相手役は「踵の魅惑」「電話姫」等出演のローレンス・グレイ氏で、その他「モガ地獄」のアール・フォックス氏、「蠻婚崇拜」のハラム・クーリー氏、新進のナンシー・キャロル嬢などが助演する。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:Ladies Must Dress

ストーリー

イーヴはワード・デパートメントストアのステノグラファーである。彼女は旧式な考えを持っていて、衣裳などその他の婦人の美を増して男の眼を楽しませる様なことに関しては全然注意を払っていなかった。同じ店に勤めているジョーはイーヴとは恋仲であったが、彼は内々イーヴがもっと身なりに気をつけて貰いたいと考えていた。イーヴとしては真面目に仕事に精を出して金を貯めて早くジョーと家を持つのが望であった。年に一度行はれるこの店のピクニックの日、この店に勤めている女どもは孰れも盛装して来たが、イーヴ1人だけは依然として例によっての御粗末な服装で加わろうとしたので、ジョーは赤面し、また己れの体面を重んじ、假病を使って不参加にしてしまった。その結果、イーヴとそれから同じくこの店に勤めているアート夫婦も、不本意ながら家に止ることにした。このアートの妻君のメイジーというのは大した女で、衣服の魅力というものを心得ている所から、長々とイーヴにその哲学を説き到頭、イーヴを己れの持論えと改宗せしめてしまった。扨て、イーヴが斯うして生れ変って来ると、その美しさにたちまち眼をつけたのは店主の息子のジョージで、彼の誘惑の手はイーヴえと延ばされた。ジョージは彼女をナイトクラブへさそい、更に己れの家へ誘った。ジョーは是れに対して大に不平であった。がイーヴは仕事大事と思って心ならずもジョーの云う侭になっているのであった。が、一方ジョージはメイジーにも野心があったので、ジョージの家でイーヴとメイジとは行きあうこととなり、またそこえジョーとアートとが怒って押しかけて行き、イーヴはジョーに発見され、2人の間の雲行きが頗る怪しくなった。が、それはメイジーの巧な計らいによって圓満な解決を見て、イーヴはジョーと結婚することになった。

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