黄金の腕
劇場公開日:1956年5月29日
解説
原作は1949年にアメリカで発刊された、ネルソン・アルグレンの麻薬を扱ったもの。脚本は「ゴールデン・ボーイ」以来のルイス・メルツァー、「海底の黄金」のウォルター・ニューマンが共同で担当。撮影は「スタア誕生(1954)」のサム・リーヴィット。主演者は「野郎どもと女たち」のフランク・シナトラ、「渡るべき多くの河」のエリナ・パーカー、「ピクニック」のキム・ノヴァク、ゲスト出演で知られるアーノルド・スタング、「旅情」のダレン・マックギャヴィン、ロバート・ストラウス等。
1955年製作/アメリカ
原題または英題:The Man with The Golden Arm
配給:松竹外画部
劇場公開日:1956年5月29日
ストーリー
シカゴの北クラーク街、シュワイフカの処のポーカー博奕で警察の手入れがあったとき連れてゆかれたフランキイ(フランク・シナトラ)は、レキシントンの連邦麻薬対策病院で6ヵ月もすごしてきた。シカゴに舞いもどったフランキイはアンテックやマウルの店で仲間に歓迎される。フランキイはそれにかまわず狭い自分の家に帰り、車椅子に坐ったままの美しい妻ザッシュ(エリナ・パーカー)に会う。フランキイは妻にレキシントンの病院で習ってきたドラムで生活しようと語る。ところが彼女はそれを喜ばず、トランプ賭博では「黄金の腕をもつ男」といわれているほどの名うてのくばり手の腕を使えとすすめる。妻と口論の後フランキイはレーン氏に会いに行くと外に出る。スパロウ(アーノルド・スタング)はそのために洋服一揃いを盗んでくる。フランキイとスパロウが外へ出ると、足の不自由な筈のザッシュは立ちあがると2人が行くのをそっと見送る。巡査部長のクヴォルカは、フランキイとスパロウを万引きのかどで捕らえて、老巧な警察署長ベッドナーの前へ連行する。シュワイフカはフランキイがもう1度彼の処で働くなら保釈金を出すという条件をもちだす。フランキイは密告者はシュワイフカだと判っていたが彼のいうなりになるより仕方がなかった。フランキイは再び賭場に姿を現わし素晴しいスピードで札くばりをする、ところがカードを配っている最中に彼の手がふるえる。ルイは麻薬を打てとすすめる。フランキイは向かいにある安っぽいナイト・クラブに行きモーリイ(キム・ノヴァク)の姿を探す。レーンはフランキイを審査に必ず呼んでやると約束してくれたので、フランキイはザッシュが不満なのを承知でドラムの稽古にはげむ。ザッシュはドラムの音が我慢できないといってはわめいた。フランキイはモーリイの処に逃げこんだ。シュワイフカは、ウィリアムスとマアケットという2人のいいカモをひっかけたから、もう1度だけ、カードを配ってくれとフランキイに頼む。大きなポーカー・ゲームは徹夜で続く。胴元のシュワイフカがあぶなくなったのを助けようと、かくしていたカードをフランキイが使うと、急に手が震え出して見破られ、賭場は乱闘の場となってしまう。その日は丁度審査の日に当たっていた。フランキイはレーンの処にかけつけるが見事に落ちてしまう。彼は家に帰るが、金が1文もないとザッシュに文句を云われ、又家をとび出す。その後にルイがフランキイに賭場でなぐられた口惜しさから復讐にやってくる。ルイはザッシュが立っているのを見て、バラしてやると脅すので、彼女はルイを手摺りからつき落して殺してしまう。ベッドナー刑事はザッシュを訊問した結果、スパロウを捕らえる。そうした間、フランキイはモーリイの処で、麻薬から脱け出そうと死の苦しみに耐えていた。3日間の間、フランキイはもだえ苦しんだ。ドランキーがモーリイの部屋にいるフランキイをみつけてベッドナーに密告する。ベッドナーがやってきた時に、フランキイはザッシュに会いに行って留守だった。彼はザッシュに金だけは不自由にさせないからと別れ話をした。ザッシュはフランキイの決意の固いのを知ると車椅子からとびおりて彼の後を追う。しかし、戸口にベットナーの姿を見るとさすがに驚いて身をひるがえすと手摺から露地へ飛下りて、自殺した。
スタッフ・キャスト
- 監督
- オットー・プレミンジャー
- 脚色
- ウォルター・ニューマン
- ルイス・メルツァー
- 原作
- ネルソン・アルグレン
- 製作
- オットー・プレミンジャー
- 撮影
- サム・リービット
- 音楽
- エルマー・バーンスタイン
受賞歴
第28回 アカデミー賞(1956年)
ノミネート
男優賞 | フランク・シナトラ |
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作曲賞(ドラマ/コメディ) | エルマー・バーンスタイン |
美術賞(白黒) |