海ゆかば（1974）のレビュー・感想・評価

映画というよりは戦争ドキュメンタリー。
撮影総指揮はジョン・フォード。ジョン・フォードといえば西部劇の巨匠というイメージがあるがこんな映画まで撮っていたとは。
実際、彼は海軍びいきで会軍に入隊しミッドウェイ海戦では大日本帝国海軍の戦闘機が投下した爆弾の破片を受けて負傷したとのこと。
アメリカ側からの描写がほとんどで戦争記録映画である。
どこか「硫黄島」（１９５９）と同じような雰囲気。
人々の悲しみや苦しみは私には伝わってこなかった。
戦争は悲惨と言うことだけは映像から理解できた。ただ、写っているのは現実そのものなのだから。
ちょっと思った映画と違ったという感覚だ。

モニュメント・バレーに訪れたときに「ジョン・フォード　ポイント」という名所があった。
この地で多くの西部劇など撮影していたらしい。
ただ、この映画はここでの撮影はなかったのは間違いないか。
幾多の名作をとり続けた名監督ジョン・フォードはどういう気持ちでこの映画を創り上げたのか聞いてみたいと思った。
本当のところ、誰に見てもらいたかったのだろう？