暗夜行路(1933)

解説

「千万ドルの醜聞」「拳骨大売出し」のハリー・ジョー・ブラウン監督作品で、「千万ドルの醜聞」と同じくジーン・タウンとグレアム・ベイカーが共同して原作脚色した。撮影は「絶対の秘密」のミルトン・クラスナー。主演は「爆走する悪魔」「謎の真空管」のエドモンド・ロウと「紐育の仇討」「追いつめられた女」のナンシー・キャロル。共演に「紐育の仇討」のルー・コディ、「千万ドルの醜聞」のロバート・アームストロングおよびウォーレン・ハイマー、「恋愛百科全書」のスーザン・フレミング、「ラスカ」のドロシー・バージェス、ウォルター・ウォーカー、グラント・ミッチェル等。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:I Love That Man

ストーリー

知恵袋とあだ名をとるスタンリー(エドモンド・ロウ)は何事にかけても抜け目なく、愚者の金を巻き上げることと女を騙すことを得意としていた。ところが、彼の手に乗らない女が出てきた。グレース・クラーク(ナンシー・キャロル)が乗っているロールス・ロイスの前に飛び込んでスタンリーは負傷を装い、図々しく彼女の座席に相乗りときめこんだが、グレースはそれが奇計と見抜いてしまう。そしてグレースがロールス・ロイスの持ち主ではなく、彼女は下町の教会で働いている婦人であることが判明。だがスタンリーは彼女を気に入り、グレースの方でも彼に恋を感じていることが分かる。スタンリーは新聞で政府が没収した酒が盗まれたと知るや、マウジーと(ウォーレン・ハイマー)ドリラー(ロバート・アームストロング)という2人の悪漢を雇い、カステラノというギャングスターに酒売りに赴く。酒樽にはお茶を詰め、樽の中央部に酒の入った筒を仕込んで売りつけて、大儲け。カステラノはこの奇計に感心し、早速同じ手で専売して損を回収し、スタンリーを脅して都落ちをさせる。しかしスタンリーは儲けは残らず賭博師のエイスに取られたので、ドリラーとマウジーには分け前として贋金を掴ませて高飛びする。グレースはすべてを知っていたが、愛するスタンリーと行動を共にする。各地を転々と頭と舌先で渡世し歩いた末、スタンリーは正直な商売で大儲けをする。グレースは大喜びだったが、そこへエイスが訪ねて来たので、取りあえず現金全部をスタンリーの共同経営者に預ける。またそこへドリラーとマウジーが、カステラノの仕事の分け前を取りにやってきた。スタンリーが現金を受け取りに行くと、共同経営者が金を持ち逃げして金庫は空だった。スタンリイはやむなく銀行泥棒をやろうと言い出す。ところが警察に勘づかれ、現場を押さえられる。その時ドリラーは警察にグレースが密告したと誤解してグレースを狙撃したが、射った弾丸は彼女をかばったスタンリーに命中した。監房でグレースは、瀕死のスタンリーと宣教師の司会で結婚式を挙げた。グレースは晴れて結婚した嬉しさに、夫となったスタンリーが絶命したのも気付かずに幸福感に酔いしれていた。

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