嵐の国のテス(1922)

解説

「勝手口から」「小公女」等と同じく其後製作されたユー・エイ社メアリー・ビックフォード嬢主演映画である。グレース・ミラー・ホワイト女史の小説を、目下ゴールドウィン社の名原作家監督家として名声噴々たる「懐かしの我家」「君を思えば」「背中を掻いて頂戴」等の作者ルパート・ヒューズ氏が映画に脚色し、「狂える悪魔」「女優の悲哀」等妙腕を揮ったジョン・エス・ロバートソン氏が監督をした。相手役は「母の愛」等のロイド・ヒューズ氏、其他グローリア・ホープ嬢、ジーン・ハーショルト氏等が共演している。尚此原作は8年前ピックフォード嬢が5巻物として映画化した事のあるもので、其間の進歩を語るにふさわしいものがある。

1922年製作/アメリカ
原題または英題:Tess of the Storm Country

ストーリー

金満家のエリアス・グレイヴスは丘の上の美しい邸宅を買い入れた。その邸の地域内の湖畔にみすぼらしい多くの小屋を住家とする貧しい漁夫の群があった。エリアスは無残にもこれ等の漁夫をこの地から追い払おうとしたが彼等は肯んじなかった。エリアスの婿たるジョルダンは彼等の職業用の網を没収する事を計った。漁夫の娘テシブル・スキナーは健気にも主唱者となって之に反抗したが遂にジョルダンの策は実行された。しかし彼女の努力で1の大網は取り返し得た。餓に迫られて漁夫等が其網によって漁を行った為、ここにエリアス側と彼等との間に闘争が起こり、遂にジョルダンは何者かに射殺された。その殺人嫌疑は期せずしてテスの父にかかり彼は有罪として投獄された。エリアスの息子フレデリックは美しい心を持つ快活な青年で、兼ねてから純なテシブルを恋し、父と漁夫等との争いに関しては飽くまで彼女側に同情し、父に逆らっていたが、彼女と未来を約し学校へ帰って行った。エリアスの娘テオラも優しい乙女であったが、彼女は蔭し児が出来て思い余り自殺を計ってテシブルに救われた。テシブルは彼女の秘密を哀れみ自分が幼児を預かったがその為に再びこの地を訪れたフレデリックの疑惑を招いた。しかし幼児が病気を得て死ぬ間際にテオラは吾児いとしく事実を言明した。過ぎし殺人事件の1証人がその真犯人をやがて自白し、テシブルの父の濡れ衣も晴れた。汚い湖畔の花、嵐の国のテスが真心から、権勢一点張りのエリアス・グレイヴスの心にも愛が植えつけられた。彼女とフレデリクの恋は再び咲き出て、貧しい漁夫の群も永く生活の安定を得たのである。

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