永遠の0のレビュー・感想・評価
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言葉では言い表せない
言葉では言い表せないほど多くの物を感じ、考えさせられました。また俳優陣ひとりひとりの演技、見入りました。個人的に主演の岡田さんももちろんですが、新井浩文さんそして染谷将太さんが深く心に残っています。場面の表現も説得力がありCGを駆使した映像からも多くの物を感じられる映画でした。
何を感じるかは人それぞれだとは思いますが、この映画絶対見るべきです!
もう少し
岡田准一の演技もいいし、ゼロ戦の戦闘シーンのCGも頑張ってる。まずまず面白い。
ただ、話の紡ぎ方というか、展開のさせ方がうまくなくて、長さが苦痛に感じてしまった。
クライマックスが来て、終わるかと思ったらまだ続きがあって、ここで終わるかと思ったらまだ続く。
それを言いたいというのはよくわかるんだけど、もう少しうまくできなかったかなー。
惜しい。
後から言うのは簡単です
現代の価値基準をそのままあてはめて、「人間らしい人だった」「決して臆病者ではなかった」としてしまうのはいかがなものか。
「家族を頼む」という伝言も、結局大石と松乃は恋仲になったからいいものの、重すぎて託された方は困っちゃうのでは?託す方のエゴなんじゃないか?
こんな人が一人でもいると、チームで仕事をする上でめちゃくちゃ士気が下がるだろうなぁと思った。
岡田准一はとっても格好良かった。
最後の、三浦春馬が零戦の幻視を見るところはちょっと笑えた。
大泣きしてしまった
原作好きなので期待せず、日曜朝一の回に行ったら満席!公開4週間以上前ですが・・・理由は分かりました。老若男女、口コミもあり、なのでしょう。映画だからこその盛り上げにハマり、映画館で初めての号泣・・・スッキリしました。
心に残る映画
あんなに涙を流させる映画とは思ってはいませんでした。
家族があんまりにも「泣くよー…」というから
見に行きましたが、始まって一時間ぐらいで、目から涙が(笑)
岡田准一演じる宮部久蔵の生きざまに感動しました。
この作品は、戦闘機マニアの人にとっても良いかもしれませんが、僕みたいな普通な人にも是非見てほしい作品です!
岡田君がかっこいい
嫁と娘のために生きるための執念。
それが宮部の根幹にあるのだと物語は常に伝えている。
映画は戦争の空気で特攻するよりも、自分を待つ愛しき人の為、生きるために努力しろと、それを伝える。
お国のために特攻するよりも、生きるためににサメに食われたほうがましだと伝えるのだ。私はそれに涙した。
しかし、当の本人が選んだのは特攻である。
特攻に臨む若者を見て、多くの命の上に自分が生きていると、嘆いてはいたが、そもそも生きるために乱戦に加わらない生き方をしている時点で、それは一切変わりない。
では、変わりない戦争の生き方をしていたのに、そこでなぜ家族ではなく特攻を選んだのか、一切の描写が省かれている。
大石と機を変わった場面を言っているのではない。
なぜ、家族のために生きたかったベテランパイロットが、あえて特攻に志願したのか!という描写がなされていない。
命を重く重く、そう思うのであれば、答えはしっかりと提示するべきである。家族を捨て特攻を選んだ彼の心を描写しなければ逃げである。
考えるべき描写はあるがどれも答えを与えてくれはしない
そう思って劇場を出たが、女子高生が、
「最後のシーンの岡田君かっこよかった」
といっているのを聞いて目が醒めた。
結局そういう目的の映画だったのである
岡田准一がイケメンすぎて……
原作は未読。以前文庫本を購入したが結局読まずにずるずると。
僕は岡田准一が日本で一番イケメンだと思っているので、彼が戦闘機に乗るだなんてそれだけで鑑賞理由になる。とかいいつつ岡田准一主演の映画を観るのは『おと な り』以来で久々だったりする。
ともあれイケメン過ぎるがゆえに?岡田准一だけ少し浮いていたような。他の俳優陣は絶妙に画面に馴染んで戦時中の空気を醸し出しているのに。他に比べて物静かに喋るキャラクターのせいってのもあるかもしれないけど。脇役のなかでは濱田岳の演技が特に好き。個性出てたし一番それっぽかった。
終盤の演出が多少冗長というか、わざとらしかった気がしないでもないけれど、あれくらいわかりやすい方が良いのかもしれない。
ラストは最高でした。
仲間の特攻シーンの無謀っぷりには切なくなった。あのシーンだけでも観た価値あったなぁと。
無論それ以外の戦闘も迫力があるし、零戦目当てで観に行くのは決して間違いじゃない。
エンドロールで名前を見るまで知らなかったんだけれど監督が山崎貴さんだったとは。『ALWAYS 三丁目の夕日』よりも『ジュブナイル』の監督というイメージが強い。あれのBDかDVD欲しいなぁ。
時間を感じさせないし、原作のダイジェスト感もない
原作読んでます。
基本、洋画好きで、あまり邦画は見ませんが
これは、良かったです。
小説を映画にするとダイジェスト版的になりがちですが、
各エピソードでもしっかり感情移入できます。
かつ、長い上映時間も気になりませんでした。
現実にはこのようなことは許されないと思いますが
主演の岡田さんは、かっこよすぎですね。
美化されてしまう部分もありますが
誰もが相手を思いやり、戦争など争いのない世界を望みます。
また、夏八木勲さんの御冥福をお祈りいたします。やすらかに。
永遠の0
ゼロは小説のファンで非常に楽しみにしていました。
航空機や戦艦も非常にリアルに作られていて空戦シーンは圧巻の迫力でした。主演の岡田准一さん、井上真央さんともに迫真の演技で文句のつけ所がない出来栄えでした。
が、
本当に個人的な意見で申し訳ないですが大石役の染谷将太さんは適役でしたでしょうか?
彼が戦後のバラックに現れたあたりから興ざめしてしまいました。
そして最後の三浦春馬さんが歩道橋の上で錯乱してゼロがやってくるくだり・・・
一昔前の日本映画特有の何を訴えたいのか監督だけしか解らないあやふやな場面をゼロで見せてほしくなかった。
嫌な展開で終わったなぁと思ってたらサザンの歌・・・
桑田啓祐が大敗した変な映画の張りぼての龍?がフラッシュバックしてしまいました。
残念でした。
胸がいっぱい
数々の戦争映画を観てきましたが、これは珠玉の一作。
映画館で人目をはばからず泣いてしまったのですが、このなんとも言えない時代に翻弄される姿…
戦争と平和を改めて考える心に残る深い作品で、井上真央さんと岡田准一さんの演技にも拍手したい。
ライアン二等兵は宮部久蔵の夢を見るか?
かつてスピルバーグは「プライベート•ライアン」で、物語の敗北を描いた。劇中、その象徴として、色褪せた星条旗を掲げてみせた。冒頭のオマハビーチで、ナチスドイツのMGがアメリカ軍の兵士をバタバタと薙ぎ倒すさまを執拗に描くところから、ひとりひとりに宿る人生や意思といった「物語」を徹底的に破壊していった。あの映画の中で唯一物語が語り得られたのは、エンディングのわずか数分間であり、そのちっぽけな物語ですら、あの色褪せた星条旗にあっという間に回収されて行った。
スピルバーグは、戦争という情け容赦ない状況の中にあって、物語というものがいかにひ弱でもろく頼りない物であるかを語った。
では、「永遠の0」はどうだろう。
ヒューマンドラマである。ガチで。原作がブ厚いのを2時間かそこらにするんだから、枝葉は綺麗に取り去っている。新聞社が製作にまわっているから、メディア批判のくだりはバッサリカット(笑)。駆け足であの太平洋戦争を追いかけながら、描かれるのは宮部という男の生き方である。
「戦争と個人を描く」という点で、プライベート•ライアンと永遠の0は同じ地点から出発する。が展開は真逆を征く。
戦争観の違いもあるだろう。個人的には、戦争という状況、事実に触れる時には、情は排するべきだと考えているので(祖父が帝国陸軍中尉だった)、いち個人の足跡を辿りながら戦争の姿に迫るという手法には「危うさ」を感じるし、悲惨な状況の前でいかに物語が無力であるかは知り得ていたから、原作も注意を払って読んだ。
永遠の0の原作の価値は、いま一度かつての戦争への興味を読者に持ってもらうことに尽きると思う。なにしろ主人公とその物語が膨大な取材に基づく「フィクション」なんだから。その上で、映画はその原作の精神をなるべく忠実に再現するよう努力しているようにも思う。
劇中でも、主人公の祖父が「物語」に言及する場面がある。そこから駆け上って行くクライマックスには•••正直、肩すかしを食らった。山崎監督のチカラはこんなものなのかと失望すら感じた(ヤマトという前科もあったので•••)。やはり物語は敗北したのか。
その直後、この映画で最も観たかったシーンがスクリーンにぶちまけられた。原作でありありと浮かび上がったあのわずか数分間の出来事が、スクリーンいっぱいに迫る。息をするヒマもなかった。
あなたの中で、ひとりの生き方は、人生という物語は勝利するだろうか。
久しぶりに感動して大泣きした
岡田准一はカッコ良すぎ。もう、大俳優の一人に入ると思う。井上真央は映画ではあまり出てこなかったけど、NHKの連続テレビ小説を観てから気に入っていました。この映画を観てから、ますます、この2人のファンになりました。もう一度観たいな。早速、原作を読み始めました。原作でも泣いています。
リベラルな戦争映画
私は原作を読んでいないのでその内容は知らないが、映画は思いの外リベラルな戦争映画に仕上がっており、なかなか感動的だった。
従来の特攻を題材とした戦争映画は、特攻隊員達の国や家族を想う真摯な姿を描くあまり、特攻作戦の愚劣さを正面に出さないきらいがあった。特攻隊員達の国や家族を想う気持ちは確かに純粋で尊い。しかし特攻作戦はただ軍部の「勝つための努力をしている」という面子作りのために行われたようなもので、初戦こそ戦果を挙げた(米軍もまさかそんな馬鹿げた作戦を行うとは思っていなかっただろうし)ものの、彼らの死は家族を守ることにはほとんど役立っていないのが現実だ(決して海野十三の愚劣なほど楽観的な「諜報中継局」のようにはならなかった)。
また0戦は開戦当初こそ確かに圧倒的な性能を誇ったが、その後の度重なる戦いによる熟練搭乗員の減少や米軍の対応(単機での戦いを避ける、より高性能な機体を投入するなど)で、大戦後期にはその優位を失っていた。
これらの事実を(軍隊の非人間性も含めて)この映画はきちんと描いている。
当時の日本(大日本帝国)は、日清及び日露戦争や第一次世界大戦で勝利したことで「戦争ボケ」で思い上がり、ソ連軍に敗北を喫したノモンハン事件も教訓にせず、「日本よい国 きよい国 世界にひとつの神の国 日本よい国 強い国 世界にかがやく えらい国」と思いあがり、米英との戦争に突入した。
現在と同じく資源がほとんどない日本が、その輸入元である資源豊富な米国と戦えばどうなるかは、当時でも心ある人は分かっていた。例え開戦已む無しであったとしても、引き際(負け際)を決めておかないと国が亡ぶまで終わらなくなってしまうことも。
それなのに軍上層部は自ら設定した絶対防衛圏を破られ、本土が空襲にさらされ敗色濃厚どころか敗戦確実となっても、それを受け入れることも自分たちの責任を認める勇気もなく国民に嘘をつき続け、挙句は「一億玉砕」を謳い日本民族を天皇との無理心中に引き込もうとした。こんな愚かな暴走は二度と許してはならない。
「戦争という殺し合いはしたくない」と言う人間として当然の気持ちを「平和ボケ」と罵り、自省史観を自虐史観と決めつけて非難し、自賛史観(自尊史観)と愛国心の涵養を主張する昨今の流れは大いに警戒しなければならない。この上非国民や国賊、売国奴という言葉が広まってくれば要注意で、その内「銀英伝」の憂国騎士団のように自らは安全な所に居ながら、他人に「国を愛せ、守るために戦え」と煽り立てる輩が出てくるかもしれない。
ただ作中の合コンシーンで自爆テロと特攻作戦を同一に論じるのには抵抗がある。特攻作戦は愚劣ではあるが戦争と言う枠組みの中で、軍隊同士が戦う中での戦法の一つである。そこには自分の命を捨ててでも国や国民を守りたいという「他者への想い」がある。これに対し自爆テロは神への信仰(それもかなり狂信的な)に従うという名目で、一般市民を巻き添えにすることも躊躇しない、言わば「自己満足」によるものだと思う。
一般市民を犠牲にしたという面では、米軍による日本各地の大空襲や原爆投下の方がよほど罪が重いし、本作とは関係ないが捕虜の虐待と言う面ではソ連によるシベリア抑留に勝るものはないだろう。
映画では何故宮部が軍人になったか(開戦時既に戦闘機乗りだったことから、召集兵ではなく志願兵だったと思われる)が描かれていないが、あれほど家族思いの男だから軍に入ったのは結婚前で、何か已むに已まれぬ事情があったのだろうと推測できる(この部分も原作では明らかなのだろうか)。
原作者はこの映画に満足しているとコメントしているが、どうしても描ききれていない部分はあると思うので、原作を読んでみようと思う。
2022/8/29 2回目 この映画に出た三浦春馬が亡くなっている...
2022/8/29 2回目
この映画に出た三浦春馬が亡くなっている事が残念だなぁ。
世界が平和になって欲しい。そうで、あって欲しい。
私は死にたくありません
原作を数年前に号泣しながら
見たのを思い出して、映画館で
鑑賞(o^^o)
絶対泣かない(化粧がとれる)
と心して挑みましたが
号泣してしまいました(笑)
零戦を題材にした
宮部という人物像を探っていくのですが
彼は海軍一の臆病者だった
あんな卑怯なヤツ見たことない
と、散々な言われよう。
私は死にたくありません
そのような言葉を残した彼が
なぜ、特攻で死んだのか?
その戦場の過酷さをしらない
私たちの時代では遥かに理解できない
心に闇をかかえていたのかも。
宮部という人は原作では
とても真面目な人物に読み取れます。
頭のいい、
部下である人に敬語をつかったり
いつも、笑顔というよりニコニコしている
そんなイメージです。
”想いを伝える”
無意識であろうと
宮部という人の思いは
計り知れず色々な方に届いています。
どんな形でも宮部久蔵は
帰ってきたのです。想いは生きて。
原作では戦後、アメリカ兵OBとの
パーティが開催されるのですが
彼は生きているのか?
いや、特攻で死んだんだよ。
そうか‥一度会いたかったな‥。
想いは届いてるんです。
それが果てしなく続く空の上で
あっても‥!
この映画で泣けた方は原作を
読まれることを激しくオススメ致します!
特攻隊員がうかばれません
なぜなら、ありえない事実を積み上げて感動させるように仕組んだ映画であり、死んでいった特攻隊員の真実をゆがめた作品だからです。これを観て感動し、これが特攻隊だなどと思われては、死んでいった若者たちが浮かばれません。
この作品は内容的には前半と後半に分けられます。
前半は、凄腕を持ちながら愛する妻と娘のためになんとしても生き残ろうと決意している戦闘機乗りの宮部を描きます。彼は「死にたくない」と公言し、乱戦にあっては高空に退避して安全を確保します。いかに凄腕でも乱戦に巻き込まれれば不可抗力は避けられないからです。この発言と行動は周囲に知れ渡っています。
しかし考えても見てください。当時エリート軍人である飛行機乗りが「死にたくない」などとは死んでも言えない環境でした。全軍の士気をくじく最も嫌悪されるべき言葉ですから。
まして乱戦を避けて高みの見物など敵前逃亡で、下手をすれば軍法会議で死刑です。
それなのに、宮部は小隊を任され、後には教官として指導に当たります(左遷ではありますが)。まったくありえないでしょう。
後半になると、部下を失った衝撃から落ち込んだ宮部は、最後には後輩の身代わりとなって美しく散っていきます。
ここの部分、前半と整合性が取れません。凄腕を持ちながら、乱戦に際して高みの見物をきめるというのはまさに決死で戦っている戦友を見捨てるということです。そこまでして妻と娘のために生き抜きたかった宮部が、どうして最後に助かる可能性をわざわざ捨てたのでしょう。よく考えると変なのですが、そこをうまくカモフラージュして、目立たないようにしているのは作者の腕です。
散って逝くのは家族思いのやさしい男が効果的。だがそういう男はふつう助かるチャンスは逃さない。そこを巧みにくっつけて美談に仕立て上げたのがこの作品です。
それにしても、愛する妻と娘を思いながら死んでいった宮部の心情はどんなだったでしょう。当時女性一人で子どもを育てる環境は劣悪でした。自分が死ねば妻子が路頭に迷うことは目に見えていた。死んでも死に切れないとはまさにこのことです。
もう一つ、特攻という作戦についてです。これは本当に反人間的で、無意味で、愚劣な作戦でした。若者たちは「お国のため、父母のため」と自分を無理やり納得させて死んでいきました。しかし、その死は実際には何の役にもたたない犬死にだったのです。
すでに戦争の行方は決しており、とっくに降伏しているべき戦況だったのに、指導部は面子にとらわれていたずらに引き伸ばしを図っていました。
特攻隊は、最初こそ常識はずれの戦術から多少の戦果をあげたものの(米軍にとっては蚊に刺された程度にせよ)、その後多くの特攻機は目標を見ることすらできずに撃ち落とされるようになります。未熟な速成パイロットに操られ、重量爆弾をぶら下げた旧式ゼロ戦では、そうなることは分かりきったことでした。
生きたいという気持ちを「お国のため、父母のため」とねじ伏せて出撃したのに、目標を視認すらできずに撃ち落とされる隊員の悔しさは実に想像を絶します。
付け加えれば、この作戦を実行させた参謀たち(当時日本有数の秀才たち)がこの事実を知らなかったわけではありません。止めるべきだと主張した参謀もいたようです。それにもかかわらず、繰り返し繰り返し出撃させた戦争責任者は、まさに大量殺人者以外の何ものでもありません。
特攻隊を描くなら、この人生を奪われた若者たちの悔しさをこそ描くべきでしょう。また、このような反人間的な作戦が、ほかならぬ人間によってなぜ行われ得たのか、を考察すべきでしょう。
それなのに、この映画を見た後に残るのは、宮部の妻子を思う死んでも死に切れない怨念ではなく、後輩の身代わりになって死んでいった宮部の潔さ、清清しさではないですか? どちらが戦争の真実なのでしょうか。
作者は、この若者の美しい自己犠牲が戦争の真実だと言いたいのでしょう。しかし、実際の戦争は、残された家族への思いで後ろ髪を引かれながら、役にも立たない理不尽な死に方を押し付けられた若者たちの怨念なのです。
最後に、これは原作のほうですが、エピローグで、宮部の飛行機は米空母の甲板に体当たりします。しかし、抱えてきた爆弾は不発、炎上した機体から宮部の死体が見つかります。これを見た空母の将兵は「我々の対空砲火を潜り抜けて、よくぞここまで来た」「日本にサムライというものがいるなら、それは奴だ」といって賞賛します。
これって、ありえますか? 彼らから見れば、爆弾を抱えたまま突っ込むなんて、(映画の中では違うと言わせていますが)狂信的な自爆テロリストです。多くの将兵は不気味さに慄いただけだったはずです。
この不自然さを目立たなくするために、作者は宮部の死体のポケットから妻子の写真が出てくるという、空母に体当たり炎上した飛行機でありえないだろうというもう一つの不自然をも創作しています。
さすがに映画では採用されていませんが。
もう一度観直し考えたい。
戦時中の「お国のため」という右にならえの理念に逆らい、自身の命を大切にしていた、という祖父をたどる話。
山崎貴監督作品という事もあり見事なVFX。零戦や空母がリアルでとても自然にストーリーに引き込まれました。
また、劇中で「後10年もすれば戦争体験を語る者もいなくなる...」といった台詞がありましたが、たった10年で... 今聞いておかなければならない最後の機会である事を改めて感じ、その様な意味でも今の若い人に人気の岡田准一や三浦春馬が出演し、「若い人が観て考えられる戦争の映画」というのはとても大切だと思いました。戦争映画はあまり好きではありませんがもう一度観直し考えたいと思う作品でした。
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