「ほっこり暖かい映画でした」きいろいゾウ やっくんさんの映画レビュー(感想・評価)
ほっこり暖かい映画でした
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子供の頃、満月の夜きいろいゾウに出会ったツマは、それ以来、いろいろな声が聞こえるようです。
犬・雨・蜘蛛・ソテツ。そんなにみんなの声が聴こえたら、うるさくて仕方ないんじゃないか?と思いながらも、西加奈子ワールドの始まりと観ていました。
前半はシュールな場面が続き、どんでん返しを期待し観ていたのですが、いつの間にか、ツマとムコさんが、お互いの心の痛みを寄り添いながら埋めあっていく、優しさ溢れる物語となっていました。
しかし、ある一通の手紙から、二人の想いはほころび始めます。「ムコさん、妻を助けてください」と、したためられた手紙は、ムコさんが語ることのなかった過去からの呼びかけでした。
けじめを付けに東京に向かうムコさんに、ツマは雨に向かって「ムコさんをかえしてください!」と涙を流していました。
映画の中には、三組の夫婦が登場します。各々の夫婦は問題を持ちながらも、互いを助け合い寄り添って生きて行くのでした。
つまらない事で言い争ったり、すれ違ったり、二人でいるのに一人でいるより孤独だったり。でも、やっぱり、人は寄り添いながら生きているのです。
シュールな前半と違い、涙が込み上げる後半となりました。すれ違ってしまった二人の心は、いつかの昔のように繋がるのでしょうか?
全く化粧もしないツマさんが、こんなに愛おしく、ムコさんも普通に暖かく、いつしか優しさに包まれながら、映画館を後にする事が出来ました。
ほっこりする映画です。
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