「成功の避けられない末路」コズモポリス arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
成功の避けられない末路
ドン・デリーロの原作は読んでいないのでで確かなことは言えないが、これは映像向きの小説ではない、あるいは映像化するにはハードルの高い(高すぎる?)小説なのではないだろうか?
高級リムジンをオフィスのように使い、巨額の金を動かし、若くして成功をおさめた投資家エリック。
しかし、巨万の富を築いた成功者にもかかわらず、彼の姿からはエネルギー、活気が感じられず虚無感さえ漂う。元の値動きを読み違え、巨額の損失を出しても、そこにショックや焦りも感じられない。まるで、生きているという実感さえ感じる事が出来ないかのようだ。
そういう彼の姿から行き着く先は自ずと想像出来てしまう。
リムジンの中、あるいは街中で彼と部下や妻との会話が繰り返されるが、ここでの彼等の会話は本質の周辺をなぞっているかのような抽象的なもので、あれこれ想像はさせるが、
ストレートなメッセージではない。
ドン・デリーロを数冊読んだだけだが、彼自身そういう作家ではない。
今作を観てあらためて感じたのは、
個人的にロバート・パティンソンは苦手だなと。
元々華奢なタイプではなかったけれど、
サマンサ・モートンの体型の変貌に驚愕し、
サラ・ガトンのシルクのような髪にウットリしました。
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