劇場公開日 2013年5月3日

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「オリジナルがどれだけ凄いか分かる」死霊のはらわた バイオレンス・アックンさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5オリジナルがどれだけ凄いか分かる

2013年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

オリジナルの「死霊のはらわた」はまず間違いなくホラー映画史に残る名作だ。
そのインパクトやオリジナリティは今見ても真新しく感じるほどだ。
それはアイデアの素晴らしさとサム・ライミの初監督とは思えないキレキレの演出と思いもしない展開による功績が大きい。

そして今回のリメイク版「死霊のはらわた」。
リメイクなのでアイデアは「借用」である。ということで制作陣が頑張らなければいけないのは演出と展開だが・・・。

ホラー映画の演出と言えばショック演出。そしてショック演出にはいくつか種類があると思う。
オリジナル版「死霊のはらわた」のショック演出は大まかにいえば二種類だ。
それは”いつ出るかいつ出るかと煽るもの”と”思いもしないところから脅かされる”というものだ。
前者の”煽る”方は比較的簡単な演出だ。しかし後者の”思いもしないところから”はかなり難しい。しかしサム・ライミは初監督の映画でその両方をやってのけているのだ。

ではリメイク版はどうか。”煽り”は出来ているものの”思いもしないところから脅かされる”は全く出来ていない!全て予想がついてしまって怖くなくなってしまっている!
つまり安心して見れてしまうのだ!ホラー映画なのに・・・。

いやしかしまだリメイク版に勝利のチャンスは残っている!「展開」だ!「展開」が良ければ全て良し。しかし・・・。
オリジナルは道徳も仁義も愛も無いような、ブチ狂った冷酷すぎて爆笑できるような最高の展開だった。特に友達の姿をした死霊をブチ殺すところとか見ていて非常にいたたまれなくなって良い。
でもリメイク版の「死霊のはらわた」には愛とか仁義とか道徳っぽいのがあるのだ。ヒューマンドラマならいいけど、これはホラー映画だぞ?
特にラストシーンが最悪。ネタバレになるから余り言わないが「そして希望が・・・」みたいな感じでチョー嫌な気分になった。ラストで全員が苦しんで死ぬよりも嫌な気分(笑)

とゆーことでリメイク版「死霊のはらわた」は全くダメでは無いと思いますけどぉ、俺的にはビミョーなつまらーん映画でした。残酷描写以外は見る価値なし!

バイオレンス・アックン