「富裕層、貧困層」エリジウム kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
富裕層、貧困層
地上から400㎞上空にあるエリジウムに行くためには市民IDが必要。不法移民を移送する悪党もいるのだが、成功率はかなり低いようだ。しかし5日しかない命のマックス(デイモン)には背に腹は変えられない。そこで、かつて車泥棒をやっていたマックスを刑務所送りにしてしまったスパイダー(ワグネル・モウラ)に頼らざるを得ない。しかし、条件として金持ちの誰かの脳内データをダウンロードしなければならなくなった・・・そこで、彼を工場事故へと導いた会社の社長カーライル(ウィリアム・フィクトナー)をターゲットにした。単純に銀行口座やパスワードを盗むつもりだったのだが、ことはそう単純ではなかった。
エリジウムのデラコート長官(フォスター)は警備面などの問題で総裁と対立し、議員たちへの不満を抱えていた。その巨大なコンピュータのシステムを変えれば総裁をクビにできると考え、設計者でもあるカーライルを呼び寄せ、リブートシステムを設定させたのだ。そんなややこしい状況下で、マックスたちはカーライルを襲い、脳内データを彼の頭の中にダウンロードしたのだが、仲間が勢い余ってカーライルを射殺。デラコートは衛星映像によりすべてを把握していたが、カーライルの頭の中のことはクーデタに匹敵する私的任務。子飼いであるエージェント・クルーガー(コプリー)を使い、マックスを追わせるのだった・・・
マックスは幼馴染のフレイ(アリシー・ブラガ)と再会するも、彼女には女の子がいて、しかも白血病の末期であるという。一緒にエリジウムに連れていってほしいと懇願されるも、看護師である彼女に自分の怪我を治させるだけ(笑)。偶然にもクルーガーが彼女たちを連れ去ったために一緒にエリジウムに行くことになったのだ。
貧困層と富裕層の描写はここまでやるか!と感じるくらい描いているし、ロサンゼルスだってここまで荒廃するんだと訴えてくる。ヤクザな商売をしているスパイダーもコンピュータ技術だけは優れているし、マッドマックス的な世界観も面白い。クライマックスの死闘には総裁になれるかもしれないと野望を持ったクルーガーが参加。飛行艇ではマックスの投げた手りゅう弾で顔がふっとんだのに、これも医療ポッドで治るというすぐれものだった。さらに、デラコートに反感を持っていたカーライルはシステムの最後に“死”を選ばなくてはならないなんてのも・・・