劇場公開日 2013年3月23日

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「名も無きお笑い芸人たちへ綴る日記」ボクたちの交換日記 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0名も無きお笑い芸人たちへ綴る日記

2015年5月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

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北野武は別格として、賛否あれども松本人志や品川ヒロシらお笑い芸人が精力的に映画監督する中、こちらはこちらでひっそり映画監督してるウッチャンこと内村光良。「ピーナッツ」以来となる監督第2作目。
鈴木おさむの小説を元に、芸歴12年目、30歳迎えても全く売れないお笑いコンビの奮闘~解散~その後。
入り口はコミカルに、出口は感動、ベタでオーソドックスだけど、ツボを抑えた作り。それこそ松ちゃんの映画なんかより遥かに見易い。
何だかウッチャンの人柄と、彼ら日陰芸人への温かい眼差しを感じた。

主人公のお笑いコンビ、田中と甲本の“房総スイマーズ”。
結構ネタ、面白いんだな。タクシーネタとか普通に面白かったし。
TVに出てるから売れっ子、日の目を見ないけどネタは面白い。この違いって何なんだろう?
素人には分からない芸人の世界、厳しさ。
中盤、解散する。以前見た「ばしゃ馬さんとビッグマウス」でも感じたが、夢を諦めるって、時として夢を追うより辛い。それも勇気であり、本作ではもう一つ、エール。
終盤、解散した二人のそれぞれの歩み。片やお笑いを続け売れっ子となり、片やお笑いを辞め…。
ここでまた交換日記がキーとなる。
心機一転として、相方がほぼ勝手に始めた交換日記。映画のほとんど、交換日記の内容のナレーションで進む。
序盤は漫才みたいな他愛ないやり取りなのが、次第にお互いの正直な気持ちが綴られまたネタともなり、そして最後、解散した今の本音や元相方への思いを告白、涙腺を直撃する。

真面目な田中=伊藤淳史と明るい甲本=小出恵介のコンビがいい。
小出恵介に座布団一枚。一見明るそうに見えて繊細、涙を流すあるシーンはグッときた。
随分練習したであろうコントも必見。
哀愁漂うコンビ振りに、消えていったお笑いコンビが幾つかダブった。

「漫才ギャング」では石原さとみだったが、本作では長澤まさみ。
本当に芸人の側にはあんな献身的な恋人居るのか!? クッソ、羨ましいぜ…。
(ウッチャンもちゃんと分かってるのか、美脚ショットあり)
長澤まさみは小出恵介の相手役、伊藤淳史の相手役は個人的に今凄く気になってる木村文乃。これがまたいい娘。
本当に芸人の周りにはあんな美人さん居るのか!? クッソ、羨ましいぜ…。

お笑いの世界を描いているので、芸人も多数登場。
今や売れっ子、♪温かいんだから~の姿がワンシーンだけ。
所で…別名“木部さん”のゲスト出演シーンは必要あったのかな??

お笑い芸人が描くお笑い芸人の物語故、好き嫌いあるだろうけど、思ってた以上の好編。
松ちゃんや品川の映画より好感持てたのは、それもこれもウッチャンが好きだから…もあるかも。

名も無きお笑い芸人たちへ。
またいつか、桜の木の下で。

近大