「ミステリーファンの人だけでなく、是非1度は観ても損は無いよ!」推理作家ポー 最期の5日間 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーファンの人だけでなく、是非1度は観ても損は無いよ!
あの有名推理作家であるエドガーアラン・ポー自身が、彼の小説作品以上にミステリアスな謎の死を遂げていたとは知らなかった!そしてその彼の最後は今も謎の間まで死因は特定されていないらしいと言う事で、その死に纏わるミステリー物語が誕生したと言う訳だけれども、創作劇としても、とってもミステリアスで、話しの中に、どんどんと引き込まれて行き、久し振りに楽しめる映画だった!
後から、この作品を観た友人に聞くと、犯人が誰なのか早い段階で気が付いたと言われたが、日頃からめったに推理小説を愛読していない私は、終盤に近くなってやっと真犯人が特定出来たのだ。ちょっと自分は天然で鈍いのかな?
犯人を想像しながら観ていたのだが、真犯人に対する確信が持てなくて、特定する事が出来なかったので、私は最後まで、充分に作品を楽しむ事が出来ました。
それに、この時代のボルティモアの街の雰囲気もこのミステリーストーリーにとてもマッチしていて、風情もあって時代を感じる綺麗な感じで良かったな。
実際には、何処かのセットで撮影されたとは思うのだが、ロケセットの可能性も有るのかも知れないが、このポーの小説の世界感を妨げない様なダークで重厚な風情の佇まいをしていて、映像的にも良かったと思う。実際の現在のボルティモアの街もとっても素敵な街並みで、きっと丁度今頃のシーズンは紅葉が美しいだろうと懐かしさが心をよぎった。
しかし、彼の描くミステリー小説の中で起こる事件を真似た残忍な殺戮の再現の連続殺人事件が起こるくだりは、当然そのシーンの再現となる為に、かなり映像的にグロイし・目を背けたくなるシーンも導入部では展開する為に、心臓が弱い人や、グロイ系の映画が苦手な方には、あまりお薦め出来ないかも知れないね。
映画館では私の斜め前の中年女性は、そのシーンを凝視していたけれど、血を見るのが苦手な私には、凝視は出来ずに横を向いてしまいました。
しかし、そんなグロサを観ても、映画が嫌にならず、最後は面白かったと思えるのは、何と言ってもジョン・キューザックが熱演していて恰好良いのは言うまでもないけれど、ポーの恋人のエミリーを演じたアリス・イブにとっても好感が持てて、良い感じだったので彼女に救われた感が有る。それにエメット刑事役のルーク・エバンスも思いの外良い芝居を見せてくれるのだ!
ポーが追い詰められて苦悩して行く様が観ている私達にも、ポー同様な緊張感を与えてくれて物語の中へとどんどん惹き込まれて行く要因の一つだ。
回想から始まるこの映画は、またファーストシーンへと戻って行くが、その頃にはすっかりこの物語の登場人物の一人にでも自分がなってしまった様な錯覚すら覚えてしまう。
秋はやはりじっくりとミステリー映画を大画面で楽しむには持ってこいのぴったりシーズンの到来だ!読書の秋、エドガーアラン・ポーのファンには当然の事、そうではない人にも是非映画館で観て頂きたい映画の1本です!