「ステレオタイプを逆手にとった意欲作」キャビン arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
ステレオタイプを逆手にとった意欲作
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若い大学生五人組が週末を過ごそうと山奥の別荘へと向かう。途中のガソリンスタンドでは薄気味悪い主人が彼等に警告する。
という、いかにもホラー映画にありがちな幕開けだが、ひとつ違うのは、謎の組織がモニターで彼等を監視していること。
映画を観る時、特にホラーやスリラー、いわゆる“怖い映画”を観る時には、これはフィクション、作り物なんだと、どこかで自分に言い聞かせながら観ている(と思う)。
謎の組織の人間(と地下に封印された存在)は、正に観客そのものなのだ。
緻密な舞台設定と(いかにもありがちなホラー映画の)シナリオによって操られる登場人物達を監視している謎の組織を観ている(監視している)観客という二重構造が成立している。
確かに、突っ込みどころがない訳ではないし、ラストのクライマックスはサービス過剰と思わないこともないけれども、ありきたりなものは作らないというその気概やよし!
謎の組織のトップとして、シガニー・ウィーヴァーが登場するのは、どうしたって『宇宙人ポール』を思い出させるし、謎の組織の人間として、リチャード・ジェンキンズとブラッドリー・ウィットフォードのキャスティングがナイス。
成功率100%だった日本で(それも京都っていうのは安倍晴明を思い出すけど、アメリカ人のクリエイターがそこまで知っててこの地を設定したのかどうかは分からないけど、知っていたとしたら凄い!)小学生の女の子達が悪霊を「どんぐりころころ」で調伏しちゃうのには笑わせてもらった!
それにしても、
「人間は他の種に道を譲る時よ」とは何たる諦念!
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