劇場公開日 2012年11月23日

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「どっかで聞いたストーリーの痛快バカSF」ロックアウト よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0どっかで聞いたストーリーの痛快バカSF

2019年1月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

2079年。コールドスリープで凶悪犯を実験的に収容する宇宙ステーション刑務所MS-1は脱獄成功率0%。組織の重要機密漏えい事件を追っていたCIAのスノーは同僚殺害容疑で逮捕される。その頃人権団体を率いる大統領の娘エミリーは囚人に対する人権侵害を調査するためMS-1を訪問していたが、所内で暴動発生。凶悪犯達は刑務所職員とエミリー一行を人質にとり政府に囚人全員の解放を要求する。CIA調査官ハリーは大統領にスノーによるエミリーの救助を提案する。

どっかで聞いたようなストーリーだと思ったら当然のヨーロッパ・コープ作品、この時点でまあ内容は保証されたようなもの。『ニューヨーク1997』+『マッドマックス』+『ダイ・ハード』+『フォートレス2』みたいなお話を90分程度の活劇に見事収めた製作陣の名人芸にまずは拍手。あまたある80'sアクションリスペクト映画でもここまで『ダイ・ハード』に対するリスペクトを露にした映画もなかなかないと思います。ブルース・ウィリスですら『ダイ・ハード3』以降は禁煙してるのに今時こんなにバカスカタバコを吸う主人公もいないかと。

今から70年くらい未来の話なのに使ってる携帯が今のスマホと大差ない仕様だったり、MS-1備え付けの重力発生装置がウソみたいにアホっぽいスペックだったり、『フォートレス2』もそうでしたが、そもそも宇宙刑務所なんて維持コストがベラボーに高いでしょうに!?みたいなツッコミはそもそも野暮極まりないので頭を空っぽにして観るのが正解。

『96時間』では旅行先のパリで人身売買組織に拉致され、今回は宇宙刑務所で囚人に拉致され、すっかり拉致女優として確固たる地位を築いたマギー・グレイスのツンデレ拉致演技にはオスカーを4つくらいあげたい気分になりました。

よね