「独裁の何が悪いと開き直った先に見えるもの」ディクテーター 身元不明でニューヨーク マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
独裁の何が悪いと開き直った先に見えるもの
アメリカのコメディはスベることが多いのだが、この作品は笑える。
ほかのアメリカ映画のコメディ同様、下ネタ連発だが、言うべきところはしっかり言っている。
メッセージがしっかりしているから、あの「9.11」をネタにした初めてであろうギャグも不謹慎の一言で叱り飛ばせない。
ではそのメッセージとは何か。自由民主制と言われる国アメリカがしていることと、独裁政治が行なっているとされる暴挙といったいどこが違うのか?という問い掛けだ。これがけっこう鋭いところを突いてくる。
「独裁なら特定の人種を取り締まれと命令できる」「独裁ならありもしない理由をつけて戦争を仕掛けられる」と独裁者アラジーンは訴える。
「独裁の何が悪い」と開き直った先に見えるもの、そこがいちばんブラックなのだ。
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