劇場公開日 2013年6月8日

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「たくさんの気づきと経験を分かち合ってもらえた不朽の名作」奇跡のリンゴ 中野祐治さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5たくさんの気づきと経験を分かち合ってもらえた不朽の名作

2024年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

幸せ

木村秋則氏の実話であり、
絶望的な状況に立たされながらも、無農薬リンゴの栽培に挑み続ける姿を描いた感動の物語

人生の困難に立ち向かってまわりの批判を浴びながらも、どうやったら出来るのか?を考えて行動している姿がとても印象に残りました。長く反映していくためには農薬を使えないですし、何よりも妻をアレルギーから守ろうとするところから挑戦が始まります。
そこから、ベストセラーとなる物語が創られていきました。

無農薬リンゴ栽培がどれほど過酷かが人間関係にも表れ、家族や周囲との関係が崩れ、心身ともに木村さんが追い詰められていきます。
ビジネスの世界でもパラダイムシフトという7つの習慣の言葉がありますが、まさに木村さんが自然との向き合い方を変えた瞬間から希望に満ちた方向へ進みます。

そして、役者の選出もとてもハマっていて、阿部サダヲさんと菅野美穂さんが演じる夫婦像は、時に切なく、時に心温まるものでした。

人間関係、大事な人を守ろうとする気持ち、挑戦の大切さ、まずやってみる精神
たくさんの気づきと経験を分かち合っていただけるこの作品はとても良いものでした。

書籍としても存在するので、映画ではなく本が好きな人も読んでみてはいかがでしょうか。私にとって「人生のベストセラー」とも言える一作でした。

中野祐治