みんなで一緒に暮らしたらのレビュー・感想・評価
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個性炸裂! フランスのお年寄り
とてもおもしろかった!
1人を除いて主な出演者がすべて70歳以上の「高齢者。」
いわゆるお年寄りなのですが、日本のお年寄りとはひとあじ違います。
いや、日本のお年寄りだって本来はさぞかし個性的なのだとは思いますが、少なくとも外面や体面を取り繕い内に隠し持っている。ところがこの映画のお年寄りたちは、ある意味子どものまま年を取ったところがあり、若いときからの個性や性格が変わっていない。むしろ悪いことやイケないことも大好きで、お年寄りらしい振る舞いをしない。劇中では「不良老人!」などと罵られている。
派手な舞台装置は何もないのに、次々と絡み合う登場人物の心情やストーリー展開、なにより役者が揃っていて一気にラストへ。ラストシーンでは、痴呆が始まっている1人が亡くなった妻を探して公園で呼び続けるシーン。友人たちはあえてそれを止めず、付き合ってあげる。介護施設ではありえない、そんな優しさ、友人に寄り添う姿にじーんときた。折に触れてまた観て噛み締めたくなる、スルメのような味わい深い映画でした。
共同生活…良くも悪くも
長年馴れ合ってきた友人同士であっても、共同生活は楽じゃない!
楽しいことも、助かることもたくさんあろうが、自分が他人と一緒に住むなんて到底ムリなので、喚き立てるアンナの気持ちはよ〜くわかった。
それでも、最終的には、水漏れも、二股も、許しあえちゃう関係てうらやましいなと思ったり。
穏やか?なことばかりでもない共同生活の中で、太陽のような存在だったジャンヌが亡くなる。半ばボケた夫を残して。これまで通り、皆で楽しく過ごそうとしても、皆将来への不安を隠しきれない。
いなくなってしまったジャンヌを皆で呼び続けるラストで、その払拭されようのない想いが爆発したように見えた。
水色のコンバースを履きこなすアンナ、みたいな颯爽と生きる老人になりたい。しかしフランス人てほんとに、こんなにいくつになっても男、女なのかしら。
みんなに相手を託せたら。
さすがはおフランス、
シニア共同生活の詩情豊かな余生を描く作品なのかと思いきや、
蓋を開けたらシルバーセックス、愛人問題、かのビバヒル白書も
ビックリ仰天!の入り乱れ夫婦生活の真実が明かされるという…
笑えない内容をコメディに纏めてしまうところもすごいが、
彼らが抱える身体問題はセックスライフ以上に膨らんでいく…。
J・フォンダの復帰作(フランス映画)とはいえ、とにかく見た目
かなりお若い。共演しているJ・チャップリンより7歳も年上とは、
とても思えない(髪型のせいかしら)
そしてお二人ともお父さんに目がそっくりで…考えたら二人とも
そうだったか、とさすが名優のお嬢さんであったこと納得至極。
演技がどう、というほどの内容ではないため、感動というよりは
呆気にとられてしまう作品ではあるが(何しろセックスライフだし)
どんなに歳をとっても、欲を失うことはないんだな…と妙に実感。
子供に頼ることなく、仲良し老人同士で暮らすことができたなら。
私だったら絶対にゴメンだ(あり得ない)という生活だけど、
其々が助け合い、私生活を露わにできる関係ならば、それも由か。
更には夫婦でもなかなか打ち明けられない病気の問題。
いっそホスピスか老人ホームと思うのは心配し過ぎる家族の方で、
本人や友人の立場になると、最後まで自由を満喫したいのだろう。
健康ならば解決できる問題なんだけど、重病となればそれもムリ。
コメディということで、ギリギリのところで上手くまとめてはいる。
その立役者が唯一若者の、D・ブリュールということに。
認知症も、末期がんも、なってしまったらもう避けられない。
でもせめてこんな風に人生を終えることができたなら幸せだろう。
(濡れ場より脚本の方に磨きをかけて欲しかった気もしますが^^;)
人は何歳まで、色気を持つのだろう?愛する事とお色気は別と思うけど?
ジェーン・フォンダの新作出演作品を観られるのは本当に久し振りで嬉しくなる。
しかし、彼女も知らぬ間に75歳となっていて驚いた。
実際画面でその姿を観ると、記憶の中の彼女と今出会った画面で観る彼女とのその変化の大きさに改めて驚かされるのだった。
そして映画の中の彼女自身も、そんな自分が歳である事を認めないような役柄だった。
年老いた女の役である事には変わりは無いのだが、お色気を漂わせるところが多々あるのだ。逆にその姿は妙に哀しく、私には想えてしまい残念な思いだけが残った。
彼女が演じるジャンヌと言うヒロインは、老人の性生活について色々に若い、学生と話をするのだ。年老いても尚、性に対する欲望は枯れないと言う事を延々と繰り返す。確かに人間の3大欲求の中の1つで有る以上、生きている限りその欲求は続くのかも知れない。
しかし、個人差がかなり有る問題だと思う。
そんな彼女の演じる役柄を観ていると、どうしても明らかに無理をしている様に私には見えてしまうのだ。
歳老いて、死を迎えるのではなく、ガンの延命治療を拒否し、自分の死を自然に任せると言う自宅死を希望するジャンヌを演じていた。そんな再起不能の末期ガン患者が衰弱する筈の生活の中で、妙に色気だけ、尚衰える事無く、残している事に違和感を憶えた。
物語は、ジャンヌ達2組の老夫婦に加え、独身の永年の友人の男性一人を含む彼ら5人と彼らの世話をする、若い男性学生一人との合計6人が一つ屋根の下で暮らすと言う奇妙な共同生活を描いたのが本作だ。
アメリカでも今や、日本同様に高齢化が益々進み、老後の生活問題が、深刻な社会問題になっているのだろうか?最近ではこの様な老人の生活をテーマにした映画作品が多数制作され、上映されているようだ。
自分では、日頃中々気が付かない、否、気付かないフリをしているのだろうか?時々有る瞬間には、パッと自分が以前と比べて、老いて来ている事に気が付く瞬間と言うものが、必ず有るものだが、大半の人間は、この事実を中々認めようとはしないで、無視するのだ。
もし、自らそれを認めたら敗北するとでも言う様に、若さを死守するように、抵抗する事が多い。
心臓発作を起こしているにも関わらず、それを認めようとしないクロードしかりだ。本当にこんなに、何時までも、異性の事ばかり、頭の中は一杯でいたらどうする?と不安にさえなった。年老いたら、仲良し仲間数人で一緒に暮すのも楽しい事かも知れないと思っていた私だが、この映画を観たら、そんな夢は、何処かにぶっ飛んでしまった。
人は老いを認めると、余計に老いが加速化すると考えてしまう傾向が有るようだが、決してそうなるとは限らない。人は自分の限界を受容する事で無理なストレスを回避させ、気軽になり、開放的な気持ちで、ゆっくりと生活を楽しむゆとりが出来、返って若さを保つ事が可能になり得るのだとこの映画を観て私は思うのだが、私もこの映画の主人公達の年齢に成るには未だ数十年必要なので、出来るなら、その時また見直して見たい作品だね!
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