「みんなに相手を託せたら。」みんなで一緒に暮らしたら ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
みんなに相手を託せたら。
さすがはおフランス、
シニア共同生活の詩情豊かな余生を描く作品なのかと思いきや、
蓋を開けたらシルバーセックス、愛人問題、かのビバヒル白書も
ビックリ仰天!の入り乱れ夫婦生活の真実が明かされるという…
笑えない内容をコメディに纏めてしまうところもすごいが、
彼らが抱える身体問題はセックスライフ以上に膨らんでいく…。
J・フォンダの復帰作(フランス映画)とはいえ、とにかく見た目
かなりお若い。共演しているJ・チャップリンより7歳も年上とは、
とても思えない(髪型のせいかしら)
そしてお二人ともお父さんに目がそっくりで…考えたら二人とも
そうだったか、とさすが名優のお嬢さんであったこと納得至極。
演技がどう、というほどの内容ではないため、感動というよりは
呆気にとられてしまう作品ではあるが(何しろセックスライフだし)
どんなに歳をとっても、欲を失うことはないんだな…と妙に実感。
子供に頼ることなく、仲良し老人同士で暮らすことができたなら。
私だったら絶対にゴメンだ(あり得ない)という生活だけど、
其々が助け合い、私生活を露わにできる関係ならば、それも由か。
更には夫婦でもなかなか打ち明けられない病気の問題。
いっそホスピスか老人ホームと思うのは心配し過ぎる家族の方で、
本人や友人の立場になると、最後まで自由を満喫したいのだろう。
健康ならば解決できる問題なんだけど、重病となればそれもムリ。
コメディということで、ギリギリのところで上手くまとめてはいる。
その立役者が唯一若者の、D・ブリュールということに。
認知症も、末期がんも、なってしまったらもう避けられない。
でもせめてこんな風に人生を終えることができたなら幸せだろう。
(濡れ場より脚本の方に磨きをかけて欲しかった気もしますが^^;)