「個性炸裂! フランスのお年寄り」みんなで一緒に暮らしたら ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
個性炸裂! フランスのお年寄り
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とてもおもしろかった!
1人を除いて主な出演者がすべて70歳以上の「高齢者。」
いわゆるお年寄りなのですが、日本のお年寄りとはひとあじ違います。
いや、日本のお年寄りだって本来はさぞかし個性的なのだとは思いますが、少なくとも外面や体面を取り繕い内に隠し持っている。ところがこの映画のお年寄りたちは、ある意味子どものまま年を取ったところがあり、若いときからの個性や性格が変わっていない。むしろ悪いことやイケないことも大好きで、お年寄りらしい振る舞いをしない。劇中では「不良老人!」などと罵られている。
派手な舞台装置は何もないのに、次々と絡み合う登場人物の心情やストーリー展開、なにより役者が揃っていて一気にラストへ。ラストシーンでは、痴呆が始まっている1人が亡くなった妻を探して公園で呼び続けるシーン。友人たちはあえてそれを止めず、付き合ってあげる。介護施設ではありえない、そんな優しさ、友人に寄り添う姿にじーんときた。折に触れてまた観て噛み締めたくなる、スルメのような味わい深い映画でした。
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