「シルベスター・スタローンを生かすタンカー牢獄のアイデアが秀逸で、かなり楽しめた」大脱出 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
シルベスター・スタローンを生かすタンカー牢獄のアイデアが秀逸で、かなり楽しめた
ミカエル・ハフストローム監督による2013年製作のアメリカ映画。
原題:Escape Plan、配給:ギャガ。
ランボー3(1988)はワクワクしながら見たのだが、シルベスター・スタローン主演映画を見るのはそれ以来超久しぶり。
知的要素を多く取り入れ、もう若くはないアクションスター・シルベスター・スタローン(1946年生まれ!)を上手く活かした着想の映画で、かなり楽しめた。原案及び脚本のマイルズ・チャップマンの構想力に感心。
脱出のため、看守たちの行動パターンや癖を徹底的に観察して調べ上げ、弱点有する懲罰房に騒ぎを起こして入りこむ優れた知性を有する主人公像が、意外にスタローンに良く似合っていて驚かされた。有名自著も有るセキュリティ・コンサルタントとの設定だが、確かに再度調べてみると、スタローンは名門マイアミ大・学士でロッキーは自らの脚本で、脚本・監督作も幾つか有り、リアリティ有する設定で有ることを知った。
牢獄が巨大なタンカーというのはグッドアイデア。何とか牢獄を脱出し船上に逃れても脱出出来ず、そこから更に派手な戦闘シーンを繰り広げられる。実際、ヘリコプターからの綱梯子上から機関銃での乱射時、待ってました感は有った。
スタローンに協力して脱獄を共闘するアーノルド・シュワルツェネッガーの役まわり設定も秀逸。ただカリフォルニア州知事は2003年11月17日 – 2011年1月3日でか、まだ何処か政治家臭が残りか。ただ、機関銃を持つ姿はやはり良く似合っていた。
脱出後、シュワルツェネッガーの娘で有ることが明かされるCIA所属弁護士役カトリーナ・バルフがとても知的な美貌で、良く役柄が似合っていた。また父を助けるためにスタローンを送り込んだとの謎解きも悪くなかった。
最後、裏切った社長(ヴィンセント・ドノフリオ)への復讐は少しやり過ぎの気もしてしまった。脱出を売りにする会社の社長なのだから、コンテナ船に乗せられた閉じ込められた車から何とか脱出してみろとのユーモア交えたメッセージ性が、もう少し分かりやすく見えたらより良かったのだが。
製作マーク・キャントン、 ランドール・エメット、 レミントン・チェイス、 ロビー・ブレナー 、ケビン・キング=テンプルトン、製作総指揮ジョージ・ファーラ 、マーク・スチュワート、ザック・シラー、 アレクサンダー・ボーイズ 、ニコラス・スターン 、ジェフ・ライス 、ブラント・アンダーセン。
原案マイルズ・チャップマン、脚本マイルズ・チャップマン、ジェイソン・ケラー(アーネル・ジェスコ名義)、撮影ブレンダン・ガルビン、美術バリー・チューシッド、編集エリオット・グリーンバーグ、衣装リズ・ウォルフ、音楽
アレックス・ヘッフェス。
出演シルベスター・スタローン(レイ・ブレスリン)、アーノルド・シュワルツェネッガー(エミル・ロットマイヤー)、ジム・カビーゼル(ホブス所長)、カーティス・“50セント”・ジャクソン(HUSH)、ビニー・ジョーンズ、ビンセント・ドノフリオ(レスター・クラーク)、エイミー・ライアン(アビゲイル)、カトリーナ・バルフ(ジェシカ・ミラー)