「DNA」砂漠でサーモン・フィッシング kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
DNA
アフガニスタンでイギリスの評判が最悪な状況になったとき、マックスウェル広報担当官は市民の目をそらすために中東関係修復のために目を逸らさせるための材料を模索する。そんな状況下、イエメンの富豪が自国で鮭釣りをできるようにと依頼してきたのだった。う~む、やばいときには印象操作なんですね~
まぁ、それがなんとも夢のある話。金持ちが人に夢を与えることに散財することはいいことだ。シャイフも嫌味なところは一つもなく、屈託のない性格は好感が持てる。その夢のお手伝いをすることによって仲良くなる水産学者ジョーンズ博士とコンサルタントのハリエット。ジョーンズは既婚者だが夫婦関係がぎくしゃくし始めたところ。一方のハリエットは3週間の付き合いだが戦地に赴いたロバートという恋人がいる。
ダムだけは完成していたので、あとはイギリスの鮭1万匹をどうやって運ぶかという段になり、釣り人の猛反対で頓挫。一方のイエメンでも反対派が暗殺まで企てたりする。
恋愛部分も本筋の一つだけど、それよりもユアン・マクレガーが奥手で風変わりなインディ・ジョーンズに見えてしょうがなくなる。スコットランドの別荘で二つの部屋へと向かう構図が『魔宮の伝説』を思い出すし、砂漠地帯の彼らを見ると『最後の聖戦』を思い起こす。アラブ人による暗殺未遂を釣り竿で防ぐなんてのも『レイダース』を思い出してしまった。こじつければ、もっとありそう・・・
全体的にはおバカな政治家たちをも皮肉っているし、恋愛部分においても王道をいくものだし、夢を追いかけることの純粋さを見事に描いている。ただ、環境問題や鮭とその餌によって外来種由来の生態系にも変化をもたらす危険もあるので、その点に触れないのはまずい気がする。