「原題は新教皇発表時の宣言「われら教皇を得たり」」ローマ法王の休日 spicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
原題は新教皇発表時の宣言「われら教皇を得たり」
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配信サイトのオススメに上がってきたので、タイムリーな主題でもあるし、「ローマの休日」みたいに教皇がバチカンを抜け出してリフレッシュして帰る、みたいなのかな、思って見たら、この教皇さまの場合は永遠の休日モードに入ってしまったので、うっそぉと思わず叫んでしまった。びっくり。バチカンのお膝元ローマの監督でなかったら作れない作品だ。
まあまあ、始めの場面からして、大勢の枢機卿が嫌がっていたのも面白かった。こんな教会内外に問題の多い時代にトップなど務めたくないのは素人にだって想像がつくが、あからさまに描いた人ってモレッティ監督しかいないのでは?
途中で辞めた教皇っているのかなと調べたら、大昔の1294年に第192代教皇のケレスティヌス5世が在位5ヶ月で自分から希望して退位していた。この人の場合、主人公と同じように、ダークホースだったのに選出されて驚き、教会から去ることを決意するくらい嫌がったのに、周囲に懇願されて就任。しかし結局、「毎晩『ただちに職を辞し隠者の生活に戻れ』の声が聞こえる」とメンタルをやられてしまったそう。(これは教皇の座を狙う親切顔の枢機卿の陰謀だったらしいが。(°∀°)
枢機卿と言ってもやはり普通の人間。物心ついたときから聖職につきたいという人も、教皇になりたいという人もそれほどいないだろうし、サポートはできてもトップは無理、という人だっているだろう。
イヤって言ったっていいじゃないか。できないって断ったっていいじゃん。
一見、茶化しているようだけれど、そんな監督の優しさを感じる作品だった。
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