「鬱病のような映画」ローマ法王の休日 Kasanmaさんの映画レビュー(感想・評価)
鬱病のような映画
クリックして本文を読む
秀逸な邦題と予告編に惹かれてハートフルコメディを期待して観に行ったら完全に裏切られた。この点は下調べをしなかった私が悪いので評価の基準からは外すものとする。その上で。
本作は不快な展開を無目的に流し続ける映画というに尽きる。
教皇は「休日」を経ても尚、ラストで改心することは無かった。「休日」中に人間性を回復するようなイベントが何一つ無かったのだから、展開的には当然のラストである。それではこの「休日」はいったい何だったのか。根拠もなく自説に沿った解釈を披瀝するカウンセラー、かつて役者を志望した教皇が遭遇する三流劇団、それらは何の意味もない。
また教皇の休暇中における教皇庁でのイベントも何の意味もない。替え玉の前で聖職者たちがバレーボールをしたことも、我儘なカウンセラーも、何のために出てきたのか。
ことさらに無意味を描いてみせる本作は、鬱病患者の脳内を映したような作品と言う他に形容する言葉が見当たらなかった。
コメントする