「シベ超みたいな」ブレーキ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
シベ超みたいな
最初の4分が経ったとき、「助けてくれ」という声が聞こえてきた。同じような状況に立たされたヘンリー(ボーン)が無線機で話しかけてきたのだ。ガラスのような箱。上部にはデジタルの時計がカウントダウンしている。最初は信じてみたが、ヘンリーが自分で国務省の人間だと言っていたこと、そして「ルーレットの場所を言え」という絵葉書のおかげで信じられなくなったジェレミー。無線機の周波数を変え、近くの無線に話しかけて自分が監禁されている車を探してくれと頼む・・・相手の名前はボブ・・・しかし、4分が経過して、無線は途切れ、突然妻のモリー(リー)から電話が入る。非常用の電話番号で「ベンに電話し、大統領を守れ」と伝える。そして今度はアレルギーを持ってる蜂攻撃・・・気を失ったが、注射を打ってもらい回復・・・
ソリッドシチュエーション・スリラーというテーマで、状況からも『[リミット]』にも通ずるが、主人公ジェレミーは一般人ではないという大きな相違点。ヘンリーが国務省の職員と言った時点で疑いを持ったジェレミーは、実は大統領補佐官を警護するシークレット・サービスだったのだ。そして“ルーレット”とは大統領が緊急時に避難する複数の場所のことであり、テロリストたちはそれを知る唯一の男ジェレミーを襲ったのだ。しかし、ジェレミーの乗った車の運転手が警察と撃ち合いになり、彼も負傷。そして、テロリストの携帯を奪い、モリーともベン(トム・ベレンジャー)とも連絡が取れるのだが・・・首都は同時爆弾テロにより恐怖に陥れられていた。用意周到な計画、そしてモリーもついに襲われ同じように拉致される。うむむ、徐々にベンの言うことがとてつもないことに・・・そしてどこに電話してもテロリストが「ルーレットの場所を言え」と脅迫してくる。ベンも仲間か??
と、思っていたら、実はジェレミーを昇進試験にかけた手の込んだテストだった。おいおい。なんじゃこりゃ。しかも国家に忠誠を誓ったとか、絶対に場所を言わないとか、テロに屈しないぞ!ということをアピールした作品だった。それだけ9.11の影響で警備が厳重になったということなんだろうけど、言ってみればアメリカ万歳映画。ラストのどんでん返しでは、妻モリーが怪しげな本物のテロリストだった(?)という、お粗末なもの。なんだか『シベ超』みたいなどんでん返しやな。