R-18文学賞 vol.1 自縄自縛の私のレビュー・感想・評価
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身体を縛ることで心を解放しようとする人たち
ストレス解消に自縄自縛する真面目なOLさんの話。
彼女には上手くいかないことが連鎖します。
頼れと言っておきながら最終的な責任は押し付ける上司、彼女を下に見てる部下、勝手な家族、、
その時その時、彼女は傷ついても感情を荒げることなく、家に帰り淡々と自分を縛ります。
この辺は自分がもしこんな状況になったら発狂しそうだ…と観ているだけで疲れました…。
彼女は社会に縛られ、皮肉にも自分自身をも縛り、更に自分を追い込むことで現実逃避に浸ります。
どうなっても良い、と半ばヤケにどんどんエスカレートする行動は少し緊張感ありました。
最近縄ブームがきている(?)と感じるのはストレス社会で自分を抑圧する人が増えたせいもあるのかな…と思ったりもしました。
みなさまご期待の(?)18禁なシーンもありドキドキしましたが、、切ないです。
終盤のメンヘラおじさんは悲しいのですが、面白さもあり…(*´-`*)
映画だからかすっきりと終わらせようとしたのが、逆にすっきりしませんが、
主人公の女優さんは可愛いお顔立ちで細身で綺麗だし、コメディ要素も多少あり、可愛いイラストが所々入り流れも悪くなく、割と観やすいかと。
こういう行為をするしないかは別として、フェチの世界を覗き見てみたい方は是非。
劇場で観ました
女性の「ひみつ」を、「細やかでみずみずしく、いってみればフェミニン」に描いたという本作。平尾香さんの描いた絵などかわいらしい箇所も随所見られ、ゆるくて、そして繊細な作品でした。
現代社会で働く女性が主人公です。断りきれず追い詰められていく主人公がゆるやかに破綻していく様が切なく感じます。縄をなめした後の主人公の「くさい」にプっとなり、肌を緩やかに流れていく縄にどきどきし、最後の無言の自縛シーンは泣きそうになりました。
偏屈で変わった映画かもしれませんが面白かったと思います。
モラルの限界点を往復する自慰の快楽と狂気
蓄積したストレスから逃れようともがいた末、SMに快楽を目覚めてしまったOLの告白記
SMと云えど自らの手で身体に縄を喰い込ませ、刺激を楽しむセルフ式
愛好会が強制的に縛り上げる『花と蛇』とは対照的な恥辱の持て成し
地産地消ならぬ自縄自縛の世界やから、かの団鬼六先生もさぞ驚きの緊縛空間である
『深夜食堂』での健気な客が印象深い平田薫が持ち前の癒やしキャラを活かしつつ、体当たりでプレイに挑む大胆さのギャップに驚くものの、メニューは服から亀甲縛りと外出、放置程度で所詮、自慰行為の延長線上に過ぎず、エロス自体はおとなしい
むしろ、彼女の秘密を知った安藤政信&津田寛治の上司コンビの視線の方が危険なオーラを発しセクシーだった
肉縛SMに付き物の浣腸・磔・蝋燭・鞭打ち・三角木馬etc.のお仕置コースはおろか、吊しすら無い随分控え目な構成は、『花と蛇』シリーズで育ったマニアにとってエロスの満足度はほとんどゼロ
せめて、縛る時は常に全裸で取り組むべきである
着衣のままのSMなぞ生温く、問題外の中の問題外
せっかくゲスト出演してくれた杉本彩女王様が勿体無い
彩様の勇姿を少しは見習うべきだ
しかし、仕事も恋も家庭も雁字搦めの日常で、更に自分で自分の自由を拘束し、鬱憤を解消しようとする等身大の危なっかしい心理表現は純粋に興味深かった。
平常心を装おうとすればするほど人間性が崩壊するエキセントリックなキャラクター描写は竹中直人監督ならではの不条理な面白味が詰まっている。
そんな気だるい男女の絡み合いを見下ろすと、かつて静岡シネマ通りに在ったポルノ小劇場を思い出してしまった
やたらカビ臭い我が青春時代を振り返りながら、最後に短歌を一首
『肌刻む 荒いあやとり 晒す悦 こころ置き去る 春のなめしや』
by全竜
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