「ドラマ未見」任侠ヘルパー クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ未見
かなりの社会派テーマで、内容は重い。
かつての観光都市が、
高齢者の増加で福祉に重点を置かなければいけない点とか、
「脱法ホーム」の鬱屈した雰囲気も、臭いまで伝わってきそうな描写。
母子家庭プラス認知症の母という、
現代社会の問題の縮図の様な家庭の中で苦しむ葉子もリアルだし、
(ただその割には安田成美は健康そうに見えたのが…)
水商売と売春で4兄弟との生計を立てている茜(夏帆)も、
家は少ししか見られなかったが、見てるのが辛い。
ヤクザとかって、一般人には映画やテレビの話でしかないので、
リアルかどうか分かりませんが、
年金を狙った貧困ビジネスとかは恐怖でしかない。
と、まあ前半はかなり心に刺さった。
後半は、前半でこれだけ様々な問題提起して、
そこに彦一1人で向かっていって、
どうオチが付くのかワクワクしていたが、期待外れ。
ていうか、これ全部解決は無理だなとは思っていたので、
こういうオチしか無いかなと。
でも、彦一があそこで騒ぎ立てるところは、
ちょっとテンション上がった。かっこいいなと。
ただ一番理解できなかったのが、
何で杉本哲太はあんなにビビってたんだ?
話としてまあまあでしたが、
役者:草彅剛としては、また株上がったんではないでしょうか。
割と口数少ない役であることも功を奏して、
ヤクザとしての凄みと格好良さは充分でした。
一方、台詞が多すぎで演技過剰な香川照之は、
もう少し抑えて演技して欲しかった。
演出も、スローはほどほどで、
効果音無しのBGMのみのカットが切り替わるシーンは良かった。
ラスト手前の暴行シーンでの切り替わりで、
葉子の娘が取り出す“アレ”が、ちょっと泣かせます。
でも説明台詞が気になるな。
今時、「サツだぁ!逃げろぉ!」言わなくても逃げるだろ。
「テレビ映画」だと舐めてた分、逆に良かった。