「味噌汁を溶くように…」隣る人 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
味噌汁を溶くように…
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TBSラジオのアトロクのツイッターで、たまたまリツイートされていた紹介で、鑑賞。パーソナリティ宇多丸氏の推薦があったので、しかも、『万引家族』の鑑賞後も手伝っての興味だったのだが・・・
ドキュメンタリーである本作は、BGMもナレーションもテロップもない。只、日常の児童養護施設の出来事が映し出される。それぞれの保育士が何人か児童を受け持つことで、一つの“家族”を形成して一緒に寝起きをしながら養育するという、途方もない労力を要する方針の下で日々を過ごす内容である。中心となる話は二人の女の子を受け持つ保育士の女性とその子達との出来事なのだが、そのうちの一人の女の子の母親が、引き取りたい旨を出したときから、しかし結局、母親の精神が回復出来ない為、引き取れないという顛末を、淡々と、しかし子供達なりの隠さない本音を吐露しつつ、それでも大人の都合に巻き込まれるように右往左往するシーンを映し出す。確かに、確かに難しい。この解決策の正解なんてのは人間は発見できないのではないかと思う。正に究極の選択でもあるのだが・・・
ドキュメンタリーとして、もう少し親切心が欲しいと思う。勿論、その素っ気なさが今作の白眉なんだろうとは思うのだが、やはりもう少し脚色はあってもよいのではと思うのはダメなのだろうか。素材やテーマがいいだけに、しかし没頭感や共感が足りないところに物足りなさを感じてしまったのは、毒された証拠かな?(苦笑
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