劇場公開日 2012年5月12日

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「絶句」隣る人 ichiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0絶句

2018年6月5日
iPhoneアプリから投稿

鑑賞後、しばらく何も手につかなかった。何も考えられなかった。

ドキュメンタリーは時として嘘をつくのかもしれない。だが本作は、誰の視点に立って撮影されているのか、誰に感情移入するべきなのか、何も教えてくれない。全ては受け手の判断に委ねられている。

今、いろんな感想が頭をよぎっているが、どんな言葉を持ってしても、この内容を伝えることが出来ない。星5つの評価ですら陳腐に思える。

そもそも本作を映画として捉えていいのだろうか。エンディングのみ、唯一映画らしい余韻が残されていたが、ナレーションもテロップもBGMもない本作は、さながら他人のプライベートのホームビデオを、まじまじと観察しているようで、バツの悪さを覚える。

なんの混じりっけのない、純粋無垢な子供たちの表情、態度。そして、激しい感情のぶつけ合いに、自然と涙がこぼれた。

愛情に飢えた子供たちに、希望という光を届けようとする大人たち。みんな体を張って生きている。

鑑賞後しばらく経った今もなお、胸の詰まる想いがする。

shin