劇場公開日 2012年5月12日

「まだ戦争には間に合う? でもウクライナは間に合わなかった」この空の花 長岡花火物語 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0まだ戦争には間に合う? でもウクライナは間に合わなかった

2025年3月11日
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鑑賞方法:VOD

大林監督戦争三部作
この空の花 長岡花火物(2011年本作)、
『野のなななのか』(2014年)、『花筐/HANAGATAMI』(2017年)

まだ戦争には間に合う?
でもウクライナは間に合わなかった

今日は2025年3月11日です
東日本大震災から14年経ちました

全く普通の劇映画とは異なりま

かと言ってドキュメンタリーでもなく、大量の互いに関係する情報をコラージュしていくなかにごくごくわずかな劇映画が接着剤として存在するというものです
まるで山下清画伯の切り絵のように

心から観て良かったと思える傑作です
大林宣彦監督にしかなし得ない映画作品です
コラージュの切り貼りのリズムは心地良いほどの鮮やかさです
大林宣彦監督のそうした手法の最高峰にある重要な作品だと思います
かといって大林宣彦監督作品を初めて観るという方にはお勧めしません
これが大林宣彦監督のすべてではありません
まず尾道3部作などの有名作品をご覧になられてあらかた見尽くしたあとの最後にご覧になられるべき作品だと思います

まだ戦争には間に合う?
でもウクライナは間に合わなかった
戦争は嫌だと強く思っていても、勝手に攻め込んでくるなら私達はどうしたらいいのでしょうか?
まだ戦争には間に合う?
でもウクライナは間に合わなかった
非戦の誓いを建てたからといっても相手は相手の都合や利害や自分勝手な理屈で動くのです
理屈も道理も、話し合いも外交も
通じない相手が本当にいることを私たちは知りました
そして助けてくれると信じていた国際社会も無力だったことも
西部劇のように正義の保安官は現れず、それどころか逆に保安官は悪漢とグルであったことも知りました

日本も間に合わなかったという羽目になるのでしょうか?
私たちは花を守ることができるのでしょうか?

あき240