劇場公開日 2012年5月12日

「全てが繋がる」この空の花 長岡花火物語 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

全てが繋がる

2024年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 大林宣彦監督らしく、長崎と長岡・原爆と花火・空襲と東北大震災・1945年と2011年・演劇とドキュメンタリーが、おもちゃ箱をひっくり返した様に散りばめられ、何故か一輪車が度々往来する奔放な作品です。大林作品では、その奔放さに置いてけぼり感を覚える事もあるのですが、本作ではそれらが大絵巻の様に見事に繋がり、「戦争の愚かさ許すまじ」の背骨が強く貫かれていました。そして終盤、スクリーンの花火を観ながら涙ぐんでしまいました。

 2020年に亡くなった大林監督が、晩年に戦争をテーマとした作品を撮り続けた意味を今こそ見つめ直さねばなりません。

La Strada