「大林監督の祈り」この空の花 長岡花火物語 SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
大林監督の祈り
東日本大震災と原発事故の発生。
この二種類の災害を経験した新潟県中越地方が舞台となり、薄れ行く第二次世界大戦の記憶の中で、現在と過去、遠距離に住む人々の間の恋や友情を行き来しつつ、壮大な劇中劇も取り入れた、大林監督ならではの鎮魂と祈りに満ちた映画。
監督がインタビューで気にされているように、たくさんの大切なエピソードが詰め込まれているため、かなり長いのだが、じっと画面を追っているうちに監督の平和への思いがじわじわと伝わってきて泣けた。
たくさんの悲しい魂に安らぎを。今も胸に悲しい思い出を秘めつつ生きる人に慰めを。
そして、辛くても無数の悲しい出来事を語り継ぐこと。それが今を生きる私達に出来ることだと気付かせてくれる映画。
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