「イマジネーションが凄すぎる」この空の花 長岡花火物語 SHさんの映画レビュー(感想・評価)
イマジネーションが凄すぎる
あの震災後の作品だということもあって、並々ならぬ制作の熱を感じる作品だった。ありとあらゆるイメージを自由奔放に組み合わせて、見せよう伝えようというよりも、とにかく今感じているこの思いのすべてを集約させようという意志を見た。
物語は長岡という地が中心となっているけれど、近代日本はあらゆる惨禍を経験しながら今に至っていて、多くの人が哀しみと共に生きているんだなぁとしみじみ実感できた気がする。
この映画は長く果てしない旅に出る気持ちで見なければ、決してついていけない。しかし、物語のうつつに取り込まれてしまうと、長い旅路へと気持ち良く誘われること必至─。ほとんど理解できなくても、幻想的な雰囲気にのみ込まれて、不思議なノスタルジックに浸って、涙する。
結局、大林宣彦作品が好きな者が、少し怖いけれども魅惑的な世界観に魅了されるだけのような映画のような気がするけれど、この自由すぎる作風が何ともたまらんわけなんです。
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