「意味不明な後半」グレイヴ・エンカウンターズ tochiroさんの映画レビュー(感想・評価)
意味不明な後半
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心霊現象のドキュメンタリー番組の取材フィルムの編集版という設定の作品。もうこの手法もありきたりになって、興味は「どこまで本当らしく作ってあるか」、「どこまで怖がらせる画面作りをしているか」という点だけだが、前半は悪くない。
舞台となるのは、今は閉鎖され廃屋となった元精神病院。番組スタッフや霊能力者(これも当然インチキ野郎)が乗り込んで、ドキュメンタリーに見せかけた、やらせ映像を作製していく。この過程はなかなかリアルで、固定カメラの仕掛け方も納得できる。
前半は比較的おとなしい画面作りで、それなりに面白くまた怖がらせてくれる。しかし予告編にあった「恐怖顔の少女」をピークに、その後の展開は一変する。
建物の構造が変わって外へ出られなくなったり、ベタな予想通りに浴槽で死んだ少女が出てきたり、明らかな物理的(肉体的)存在のゾンビもどきが出てきたり、あげくは地下の手術室に邪教の祭壇らしきものや、ロボトミー手術で多くの患者を実験台にした医師の幽霊まで出てきて、結局この病院に巣食う悪霊の根源は分からず終いで、なんら恐怖感が盛り上がることもない。
これをあくまでドキュメンタリーとするなら、映像からみてスタッフは全て死んだと思われるが、どうやってそのフィルムが発見されたのか、またここまで悪霊の存在が明確に記録されているのに、その病院跡がどうなったのかも触れられず、消化不良感が残るばかりのラストだった。
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