「懐かしさとは、何かを手放したあとのこと。」横道世之介 showさんの映画レビュー(感想・評価)
懐かしさとは、何かを手放したあとのこと。
この映画は、何も起こらない。
何かが起こる前夜の映画だ。
何者でもない若者たち。
何者でもなれる可能性を秘めた若者たち。
そんな中に、横道世之介は、いた。
彼は、自然だ。
なにも飾らないし、都会慣れもしていない。
彼との交流のなか、周りの人々は何も起こらない日々を過ごす。
その退屈な日々こそ、輝かしい日々だった!
と、ある日に思い出す。
そこにもう横道世之介は、いない。
懐かしさ、とは、
何かを手放したことの心許なさ、
取り返しのつかない選択の数々、
振り向いても遠く彼方の幻影。
だから、過去、はこんなにも愛おしい。
だから、横道世之介、はこんなにも愛おしい。
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