「漢ならエンドロールの長さは気にしない」エクスペンダブルズ2 しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
漢ならエンドロールの長さは気にしない
前作で「消耗品軍団」としてのネガティブな立場を全く見せないことがはっきりした。ゆえに「消耗品軍団」は「まだまだやれるぜ?」の意味となった。
なので本作も「オレら、死なんぜ?」というお祭り展開。その路線でいくのなら、それはそれでいい。そういう観方でいける。
身内で死ぬのは将来有望な若者だけである。いいじゃないか。分かりやすい。若者ブチ殺して、活気付くとはなんたる消耗品軍団(笑)
しかしそのノリと演出がマッチしていない。
前半の登場シーンから
「ああ、この監督分かってねえ」とか思いながら見てた。
登場シーンはバカみたいにかっこよくなくちゃねえ。
前半は「ランボー 最後の戦場」のようなアクションシーン。だが、さきの「おれら、死なんぜ?」の宣言どおり、ジャンジャンバリバリ不特定多数を打ち倒すのみで、まるで緊迫感が無い、爽快感が無い。まあ、ハナから緊迫感を出そうとしていないのだがら、それを求めること自体が間違い。
しかしこれが意外とオレのなかですっきりしない。
ケタケタ笑いながらブチ殺すのと、「うぉーーーーー」とブチ殺すジョン・ランボーとはやはり違うのだ。なので、火薬の量は増したかもしれないが、そこにドラマが無いので、やはりオレ的にはつまらない。
しかし後半はやはり燃える。
3人揃ってのシーンは、もうカラダ艶ないけど、出来ることはやったよ、という往年のお気に入りのAV女優の今やれるワザを披露していただいたみたいでうれしいね、もちろん痛々しくもある。
チャックもちゃんとヒゲのボリュームも全盛期そのままで登場。チャックのコブラの話がものすごいツボだったけど、あれノリス・ファクツっていうんだね。
チャックとスライなんて、80年代当時のオレからして「本物」と「バッタもん」がついに顔を合わせたという感動がある。
今はどちらとも「本物」だぜ。
ヴァン・ダムに思い入れはないが、彼が敵役でよかったと思う。やはり最終決戦は肉弾戦じゃないとね。一騎打ちのシーンで武器を捨てるシーンはオトコなら燃えますね。ヴァン・ダムはサングラスは放り投げなかったが、サングラスかけられない姿に。ヒーロースライの唾吐きは違和感あるが、まあよかったよ。
前半はぐっと我慢。後半だけで元が取れた。という映画のレビューあるまじき感想だが、アクションシーンで燃えることが出来たので、前作よりもはるかにデキはいい。
余談1
吹き替えで鑑賞。自虐ネタがややすべり。しかしそれ以外は全然OK。
余談2
一騎打ちのシーンを見て、特にスライとヴァン・ダム、そしてみんなカラダは作ったな、と思ったが、エンドロールのあまりの長さに、ひょっとしてVFXチームが(謎)。
ああ、夢がなくなるので、これ以上の詮索はやめよう。
チャックのヒゲは本物のはずだ。