「高品質」ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
高品質
老舗のハマー・フィルムが長年の年月を費やして描いたとされるホラー。当時はまだハリー・ポッター感が抜けないダニエル・ラドクリフ主演。
興行的にはかなり成功した様だが、評価が伸び悩んでいたのが記憶に残る。そしてこの度ようやく鑑賞する事が出来た。
ハマー・フィルム渾身の一作の様に宣伝されていた為、どうしても期待値が上昇してしまうのはやむを得ないが、その期待には十分に応えてくれた作品だった。舞台が19世紀の為、全体を通してレトロな雰囲気が立ち込めているのは雰囲気作りに大きな効果を与えていると思われる。古い洋館、海霧に覆われた町、哀愁漂う主人公・・・全てをとってお洒落で引き込まれる物がある。
恐怖描写はもちろん怖いが、Jホラーを意識した様な描き方であった。派手な演出等は少なく、じわりじわりと忍び寄る独特な怖さだ。「黒衣の女」も雰囲気抜群であり、「死霊館 エンフィールド事件」の最強悪魔、バラクと似たインパクトを与えてくれる。ストーリーには大きなヒネリは無く、至って普通の物語なのが少々残念だが、ラストの良いとも悪いともとれるシーンは考えさせられてしまう。全体的には地味だが、高品質なゴシック・ホラーは探してみると貴重である。その中の1作に本作も間違いなく入れると思う。
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