「アクション映画好きさんと、大阪舞台の作品好きの方にはお勧め映画だよ!」黄金を抱いて翔べ Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
アクション映画好きさんと、大阪舞台の作品好きの方にはお勧め映画だよ!
井筒監督作品である。画面からは、男の体臭が臭って出て来るようなコテコテの殴り合いアクション活劇ですわ。
もう、殴り合いの連続てんこ盛りで、血しぶきドピューッと出るわ、出るわで、痛そうで、痛そうで、もう観てられんと言いながら、目を手で覆った隙間からジーット覗き見したくなる様な迫力に押される映画だった。
「なにせ、井筒監督さん、私ら観客はチケット自腹を切っていますからね、本当は、嫌いな残酷な暴力シーンが有っても、私は我慢してお金出した分観ないといけませんから、そこのところ、これから宜しく頼みますと言いたいな!」と釘を刺しとかんとね!
そんな事言ったら、「別に、あんた観なくてええよ!」と監督の怒鳴り声が返ってくるのかな?
しかし、この映画、普通に銀行強盗だけしてくれる、映画で良かったと思うのだよね!
何も、春樹とチンピラの喧嘩話しが無くても、それぞれの才能を悪用する事でタッグを組んだ強盗プロ集団の話しなら、もっともっと緻密な計画性の有る銀行強盗準備をするところを面白い、
話に膨らませて欲しかった。
予告編のイメージからは、一癖二癖と、皆訳有り人間が、各方面から、それぞれの才能を提供しながら事を成し遂げていく話しのような気がしていたが、どうも違っていたようだ。
妻夫木聡は、どうも『悪人』出演辺りから、結構善人キャラから、悪人と言うか、犯罪者役へとその役柄が、段々とシフトして来たが、この作品の幸田も正直いくら、喧嘩が強くて、腕力を効かせて演じても、彼の甘いマスクの為か、それとも声質の問題かは私には解らないが、どうもこの路線はこの辺りで、止めて置いた方が良いのでは?と思ってしまうのは私の身勝手な主観だけなのだろうか?彼のファンは、どう思っているのだろうか?
幸田に、銀行強盗の話しを、そもそも持ち掛けた張本人役の北川を演じる、浅野忠信は今ではハリウッド映画でも、準主役を演じるまでになった個性派キャラの、演技派俳優で、私は昔から彼の作品が好きで、彼の映画を沢山観て来ていて、正直この映画も、浅野忠信狙いで観に行ったのですが、今一つ準主役である筈の、北川のキャラが巧く描ききれていなくて残念だった。結局登場人物が多くてそれぞれのキャラクターが描ききれていなかったと言う難点がどうしても残り、観終わった後は消化不良を起こした状態でした。あーぁ残念!
北川だけが、銀行強盗をする事を一人楽しんでいるように見えて、何か悪友達との、悪ふざけの子供の遊びの延長戦のようだった。
大阪の警察もいくら何でも、あんなアホじゃないし、コミック漫画を再現している様な映画だったけれど、みんな俳優さん達が、凄く頑張って演じている、その熱意と言うか、意気込みのような迫力だけが、画面に溢れ出していた。しかし、こんな無計画で生き当たりバッタリする強盗映画なら、いっそうの事、完全なアニメ映画にするか、もっと馬鹿げた完全コメディー映画で良かったね。折角ハリウッド映画に出演キャリアの有る、浅野を起用しても、この映画では、世界のマーケットには残念だけれども、評価されませんね。もっと娯楽性を追求して欲しかった!