プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命のレビュー・感想・評価
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本宮ひろしイズム
1部のゴズリング編に人気があるようだが、本作のキモは3部にあり。
「親は無くとも子は育つ」と「子は親の背中を見て育つ」
という真反対の格言を冷静に、かつにわかに感動的に、描いている点にある。しかし、その監督のまなざしはとっても熱い。
普通にそのテーマだけを純粋に見ても十分面白い映画。
「ブルーバレンタイン」に続き、シアンフランス監督、素晴らしいね。
ゴズリングはレフン監督の「ドライブ」と「ブルーバレンタイン」の両方のキャラをまんま本作を続編にしたようにも見えて、それも楽しい。
また本作、二人の男の運命的な出会いと父親としての有様を描いた作品でもあるのだが、確かによくある話、っていうとそれまでなのだが、
これって、あれじゃん、本宮ひろし氏の漫画そのまんまじゃないか!?
「よっしゃーーーっ!!」とか
「おとこはなぁーーーーっ!!」
というセリフは一切出てこないが、観終わってそう思った。
まあ、叫んではいないが、ゴズリングやクーパーのドアップ多投はシアンフランス監督、熱い、熱すぎる!
確かに、中盤の第二部に該当する部分は若干つまらないかもしれない。しかし、本宮漫画に主人公2人いたら、片方はやんちゃ、片方はのし上がる、あるいはエリート、と相場が決まっている。それを思えば、むしろニヤニヤしながら楽しめる。
そして第3部は世代が移る。
はっはっは!まんまじゃん!!
何番目に好きな映画だろ。
最後、エイヴリーがジェイソンに、
泣きながら謝るというより
懺悔してるように見えた。
何でAJに「アイツとは付き合うな」と
言ったんだろうか。
何で自分はどんどん出世する道を
選べるんだろうか。
そりゃーゴズリングかっこいいし、
ゴズリング目当てで観ましたよ。
だけどマトモな人間のようで
感情的に矛盾してしまうエイヴリーに
すごく魅力を感じる。
映画観てて、
「それでも逞しく生きてる人」とか
「歯を食いしばって家族を守る人」が出て来ると
全く只々尊敬してしまうのよ。
で、やっぱりジェイソンと面と向かった時、
謝るしか出来なかったんだろうな。
二部作?
ライアンと入れ替わるようにブラッドリー登場。
前半後半みたいに内容がガラッと変わった気がした。
ライアンが落ちて死んだところで終わりかと。笑
いや、まだ道半ばだったわ。
銀行強盗とあれだけ続ければ捕まるでしょう。
どんだけやるんじゃ。
それにしても、ふらっと帰って来たライアン、自分勝手過ぎてイラッとした。
新しい家族を壊すんじゃない。
息子がイケメンだったので許すけど。笑
しかし身元があっさりバレるあたり、詰めが甘いな。
親子の繋がり…
機内、日本語吹き替えで鑑賞。
劇場や映像・音響効果の良いところで観たら、評価はアップしたと思う。
第1部のバイクの疾走感とか もっと迫力あったのだろうなと思います。
映像美・音響美(というのか?)が半減するので、第1部・第2部は退屈でした。
でも、第1部の主人公ルークの息子ジェイソンが出てくるあたりから、物語ががぜん、深まってくる。もっとこの部分を丁寧に描いてほしかったです。でも第1部・第2部があるから第3部が深みを増してくるのだろうなと思います。
親子ってなんのだろう。
継父と母親に大切にされ愛されて育ち、たぶん本人もそれを自覚しているにも関わらず、実の父を求めずにはいられないジェイソン(自分の父について問うジェイソンに、継父コフィがダースベーダーのまねをして「ルークはお前を生んだだけ、私がお前の父だ」というのをジェイソンが笑って受け止めていることからも二人の関係が悪くないことがわかるっていうか、そういう質問を直接悩みとして継父に問える時点で関係は良いでしょう)。
USAってむごいね。日本人だったら皆同じような皮膚・髪の色をしているから、継父かもと思いつつもゴマかせるのに、黒人の父にヒスパニック系の母、なのに自分は金髪で少なくとも絶対に父には似ていないとなれば血が繋がっていないことはごまかしようがない。そして母は実父のことは教えてくれない。
自分のルーツを否定されることは自分の存在を否定されること。その存在感のなさ、心もとなさ、やりきれなさ。その辺が痛々しいほど伝わってくる。それが一枚の写真・実父と実母が自分を抱いて笑っている写真を見ることで、(強盗はしたけど)殺人は思いとどまり、自分の道を歩み始めるジェイソン。
ジェイソンの父ルークも父を知らないがゆえに刹那的に生きてきた。けれど、血を分けた息子の存在を知ってから狂おしいほどに息子を求め、生き方を変えようとする。コフィに育てられれば息子の幸せは約束されているようなものなのに、自分の存在を確かめる・地につなぐためにもジェイソンに狂おしいほどに何かしてやろうとするルーク(自分は父を知らないからこんなになった。だから息子には父が必要なんだと何度も言う)。
バイク乗りや修理の腕は最高だか、子どもへのサインもまともに書けないルークに残された道は、なんてところもきっちり描かれていて…。
射殺される前、彼はどこに電話していたのだろう。警官に追い詰められ、民家の人を人質にとったり、迫ってくる警官を射殺してもいいのに、彼はそうしなかった…。半ば自殺したようにみえるのは私だけ?
反面、父と暮らして生きてきたもう一人の主人公エイブリー。父の生き方を否定して警官になったはすなのに、結局父の生き方と同じ生き方をしてしまい、結果自分の息子AJはどら息子に。
観終わって、切なくなる映画です。
ジェイソン役のディン・デハーン氏は必見です。これからの期待大★★★。
良い作品でした。
実を言えば、バイクが登場するという事だけで興味を持っていた作品だったのですが、二組の父子を通して、人生や宿命という物について深く考えさせられる素晴らしい作品でした。
特に自分みたいになバイク好きには要所要所でバイクが使われているだけでも嬉しかったのですが、(ライアン・ゴズリング&バイクは格好良かったですね)ルークがかつてバイクで走った道をジェイソンは自転車で、ドラッグストアで万引きして逃げ去るシーンなんかも、銀行強盗の後の逃走シーンと重なり、やっぱり父の面影があったりして良いシーンでした。
息子のために街に留まった父と父の復讐の課程で手にしたお金で購入したバイクで旅立つ息子…冒頭とラストとの対比も見事でした。
彼の不在
ブルーバレンタインで脚光を浴びたデレク・フランシアンス監督作。本作は3部構成をとっており、犯罪モノ、警察汚職モノ、メロドラマと変わっていく。構成上派手かつ最も目を引くのは1幕目である。
この映画のちょっと変わった所としてはフランシアンス監督の神経質なカメラワークと異常にテンポがいいことだろう。登場人物たちを延々とカメラが追って行き決して枠の外へは逃さない。それに加えて音楽が終始食いぎみに流れてくる。
つまり音楽によって導かれ、カメラによって逃がさない。運命や宿命といったものを映像と音楽によって見事に表現している。
1幕目が終わり、2幕目、3幕目と進むにつれて何かが足りない感じがしてくる。それはルークがいないこと。圧倒的に魅力的なキャラクターの上にシーンも派手、そのせいで2幕目以降が物語的にも映画的にも喪失感に襲われてしまう。意図的なのだとすればこれは非常に上手いうえに計算され尽くされている。
何気ない日常のもの、食べ物であったり乗り物、お金の金額などがいやらしくなく3幕をゆるやかに繋いでおり効果的に使われており、見返すと新たな発見もあってこちらも計算されている。
ある悲劇を通して運命へと飲み込まれていく登場人物がほとんどのなか、ルークの息子であるジェイソンだけは積極的に自由を目指していく。その自由とは逃げることではなく、運命の中心へと近づくことであり、そしてその核心を知ったときこの映画で初めて登場人物が自らの意思でカメラのフレームの外へと出ていく。松の木の向こう、悲しみの先へと目指してゆっくりと消えていく。
目。
「The place beyond the pines」見ました。これは傑作。キャストも脚本も映像も、どれをとっても文句無しだと思う。
この映画の面白さは、1つの映画だけど内容が3部作になっていて、それによって主人公が変わっていく所。序盤はライアン・ゴスリングによる男の生き様、中盤はブラッドリー・クーパーによる警察汚職、終盤はディン・デハーンによる親子葛藤物。一言で片付けるのは難しいテーマではあるが、各々テーマが最後は一つに繋がるという宿命。カンの良い人なら人物の繋がりが早いうちに分かってしまうと思うが、それはこの際不問とします。なぜなら、そんな小さな事は気にならないぐらい役者の演技が素晴らしいから。特にライアン・ゴスリングのヨタヨタ感。金髪に無精髭に白Tという容姿の仕上がりもそうだが、なんと言ってもあの死んだ魚のような目だけで物語を語っている。素晴らしい。あとはディン・デハーン。彼のことは初めて見たけど、ヤク中のような鋭い眼光、内に秘めた狂気を感じた。こちらも仕上がりが素晴らしい。容姿端麗なブラッドリー・クーパーも、正義感としての説得力が絶大。ブラッドリー・クーパーを揺さぶるレイ・リオッタもまた。とにかく怖い、顔面凶器。
カメラワークも生々しく全体的に暗めだけど、不思議とワクワク感がある。ブラッドリー・クーパーの車がレイ・リオッタの車を追いかけて山中まで走るシーン。あそこの延々と続く車窓目線。走るにつれて陽が落ちていく様も、これから起こるであろう悲劇を想像し、こちらを駆り立てる。
ライアン・ゴスリングがバイクですっ転ぶシーンの長回しもね。あんなもん見せられて上がらない訳がない。素敵だ。
色々言ったが、とにかく役者の顔。それに尽きる。世間的にはマイナーの部類の映画だと思うが、こういった作り手の真剣さが満載の映画をたくさんの人に見て欲しい。
父と子、数奇な因果
「ドライヴ」のようなスタイリッシュでクールなクライムドラマかと思いきや、一味違った。
ある二組の父子を巡る因果と翻弄される宿命を描いた骨太なドラマであった。
家族を養う為に銀行強盗に手を染めるルーク、彼を追い詰めた新米警官のエイヴリー、そして15年後、出会ってしまったそれぞれの息子、AJとジェイソン…。
確かにルークはろくでなしかもしれない。家族を養う為とは言え、犯罪に手を出してしまったら元も子もない。暴力的な一面もある。
しかし、家族への思いはストイック。幼い息子への眼差しは本物だ。だからこそ家族写真は一時の幸せに溢れ、また終盤にその写真が出てきた時は胸を打つ。
ルークの一件で英雄となったエイヴリーだが、この時のある罪悪感に苦しむ。同時に、同僚の汚職や警察内部の腐敗に苦悩する。罪の意識と葛藤が、彼にある野心を芽生えさせる。
成長したエイヴリーの息子AJは、父の愛情を知らずに育ち、不良になっていた。エイヴリーもまた政治家である実父との間にわだかまりがあり、AJはしっかり父の血を受け継いでいる事が分かる。
そんなAJが出会ったのは、何処か自分と似たものを持つジェイソン。二人は親しくなるが、実はジェイソンはルークの息子。お互い知らなかったが、やがてジェイソンはこの数奇な巡り合わせを知る。犯罪者とは言え実の父、復讐の矛先がエイヴリー親子に向けられる…。
親の罪が子へ。
いつの時代の話だ?…とも思うが、罪を作ってしまった二人の父、罪を背負い向き合う事になった二人の息子、引き継がれた罪の因果が苦しく哀しい。
彼らがその因果から解放される時は来るのか…!?
ルーク役ライアン・ゴズリングは「ドライヴ」に続く男臭くクールな魅力で、十八番になりつつある。バイクスタントにもしびれる。
エイヴリー役ブラッドリー・クーパーも正義と苦悩の板挟みになる姿を熱演、単なる甘い二枚目でない事を証明する。
そしてジェイソン役デイン・デハーンは「クロニクル」に続く繊細でナイーブな演技が光る。
物語は3部構成。特に章分けはせず、展開や登場人物の移り変わりは自然で見事。
監督デレク・シアンフランスとライアン・ゴズリングのタッグの前作「ブルーバレンタイン」はなかなか取っ付き難い作品でもあったが、本作はエンタメ性と深い余韻があり、とても見応えあった!
父を求める息子の孤独な後姿に涙
題名の「THE PLACE BEYOND THE PINES」という意味は、そのまま訳すと、松林の向こうの場所、ずっと遠くで到達することができない、自分には手の届かない場所のこと。でも、ここでは単純に、先住民モホーク族の言葉でいうと、 この先、ずっと行ったところのニューヨークを指す。
映画の内容から、題名の意味を深く考えると、自分が赤ちゃんのときに死んでしまった父親を追い求める少年の心を暗示している。あるいは、死んだ父親が、本当は自分が求めていて、手に入らなかった安定した暖かい家庭のことを同時に示している、とも解釈できる。
邦題の「宿命」という言葉が、ストーリーの内容に適しているかどうか疑問。宿命というと、唐獅子牡丹を背に彫った、高倉健がヤクザを引退したのに、義理ある人のために決死で敵の陣中に殴り込む感じ。避けようにも避けられない定めに生きる浪花節的な、ストーリーを思い浮かべてしまう。
ストーリーは
バイクスタントマンのルークは 命知らずの危険なバイク乗りのアクロバットショーを見世物にして、街から街へと移動して稼いでいる。昔、恋人が居た街に、再びやってきた。そこでロミーナと再会する。彼女は ルークにすげないそぶりを見せて、何も言わないが、彼女が育てている赤ちゃんが、実は自分の子供だったことを 人から知らされて、ルークは衝撃を受ける。子供のために 力になりたくて、勝手にショーをやめて、定住することに決める。そして、まとまったお金を子供に渡したくて、悪友と組んで銀行強盗を始める。ジェーソンと名付けられた赤ちゃんと、ロミーナと、つかの間の幸せを噛みしめて、すっかり父親の気持ちになっている。
しかし、どんなにバイクさばきが巧みで、逃げ足が速くても、銀行強盗がいつも成功するとは限らない。ある日、逃亡に失敗して、遂に新米警官に追いつめられる。ルークはもう逃げ切れないことを悟って、ロミーナに電話する。「子供に父親がどんな男だったか、息子には絶対言わないでくれ」、と。 ルークが撃たれたとき、彼は、銃を持ってはいたが、電話を手にしていた。先に撃ったのは、どちらだったか。相手が銃をもっているかどうか解らない内に 警官から先に撃てば、犯罪になる。新人警官のアベリーは、悪人にたち向かうヒーローになるか、自分の恐怖心から容疑者を殺してしまった犯罪者になるのか、真相に目をつぶってもらい、彼は自分を擁護する。相手が撃ってきて、止むを得ず、撃ち殺してしまったと。しかし、死んでしまった男にも 自分と同じ年の子供がいたことを知らされて、アベリーは良心の呵責に苦しむことになる。
時が経った。警察を辞めたアベリーは、官庁に勤めている。アベリーがルークを撃ち殺したことで、夫に批判的だった妻とは離婚した。18歳になった息子が、ドラッグに溺れていて手を焼いている。息子のAJは、転校先の高校で、ジェーソンという静かで恥ずかしがりやの友達ができた。AJは 体も大きく、押しが強い。ひょんなことから、ジェーソンは、自分の本当の父親が、AJの父親に殺された事実を知ってしまう。大切な父親を撃ち殺しておいて、いつも自分が優位に立とうとするAJを、ジェーソンは許すことができなくなった。銃をもって、AJの家に押し入ったとき、その場に偶然現れたAJの父親を、ジェーソンは、成り行きで、誘拐して森に向かう。ジェーソンは 父親の「仇」を取ってアベリーを殺し、金をとって逃亡するつもりでいた。しかし、アベリーは 連れていかれた森で、膝をついて、ジェーソンに 心から謝罪する。そして、胸のポケットに入れていた財布を ジェーソンに投げてよこす。財布には、アベリーの唯一の良心の証のように、小さく折りたたまれた「ジェーソンを抱く父親ルークの写真」が入っていた。ジェーソンは、黙って森から立ち去る。バイクで遠く、ずっと遠くに走っていくジェーソンの姿。ここで終わる。
主人公のルーク役のライアン ゴスリングが、映画の半ばであっさり殺されていなくなってしまう という珍しい筋書だ。主人公なのに。 スクリーンからは姿を消すが 実際映画が終わるまで 彼の「面影」がついてまわる。居なくなった、その男のために残った者たちが苦しんだり、慕ったり、追い求めたりする。なかなか よくできた映画だ。ゴスリングは、「ノートブック」、「ブルーバレンタイン」、「ドライブ」などを主演、細身で甘いフェイス、繊細な感じの性格俳優だ。
映画のなかで、昔の恋人が 一言も告げずに自分の子供を生んで 育てていたことを知る。そのあと、一人きりになって大粒の涙をぼろぼろ落とすシーンがある。音もなにもなく、動きもなく、カメラはじっと 長いこと 長いこと動かない。このロングショットがとても美しい。また、1対1の会話のときに、ゴスリングは 瞬きもせずじっと相手の顔を見つめる。彼独特の雰囲気と目差しが、とても印象に残る。おまえの言うことを全身を耳にして聞いてるよ、と目が語っている。こんなふうに、じっと見つめられて話を促されたら、あんなことでもこんなことでもどんなことでもしゃべってしまいそうだ。映画関係者の間では、監督からも役者からも、男からも女からも、彼ほど心を許して付き合える人は他に居ない、と とても人気者なのだそうだ。本当に人柄が良いのだろう。好きな役者の一人だ。
映画で、ルークは、自分が大事にされて育ってきていないので、大切なものなど、何も持たないし、自分の命さえ どうでもよいと、粗末に扱って、命知らずのアクロバットで日銭を稼いできたが、突然「赤ちゃん」という宝物が現れて、動転する。赤ちゃん、、、金、、、強盗と、連想して、銀行を襲う単純さにも、あきれるが、そのような選択肢しかない世界で生きてきた無骨な男なのだ。
一方のアベリー警部は、親が法曹界で有名な判事で 正義について厳しく教育を受けてきた。教育もあり仕事も家庭もある。しかし、自分のしたことで、良心の呵責から一生逃れることはできない。この二人の男たちは、みごとに明と暗の対照をも見せている。
アベリー警部役のブラッドレイ クーパーは、「ハングオーバー」、「シルバーラインノートブック」でおなじみの役者。コミカルな映画ばかりに出ているが、正統派ハンサムの役者だ。
赤ちゃんのときに殺されてしまった父親を求める孤独な息子の姿が、胸を打つ。
小さな作品だが、心に残る映画だ。
なんだかなぁ…
楽しみにしてました。
作品は3章構成のようになっている。
ライアン・ゴスリングがバイクで銀行強盗しまくる章は観ていて楽しかったし、ワクワクがどんどん大きくなっていった。
つづいて、バイク強盗を射殺した警官ブラッドリー・クーパーの章。これも100歩譲って結構面白かった。
とくに仲間刑事としてレイ・リオッタが登場した瞬間、
「うわぁ…絶対これから嫌なシーンが始まるな~」っと予感させてくれた。
汚職刑事役は見事なもので、
レイ・リオッタって役者さんは日本の小沢仁志さんのように顔を見ただけでそこはかとない
「ワル」な感じがしてたまらない。
ってことでこの章も結構楽しめた。が、銀行強盗を射殺したり、汚職を告発したりと功名をあげるブラッドリー・クーパーの心の闇がイマイチこちらに伝わってこないのが残念。
しかし最後の15年後の章がとにかくつまらなかった。
ブラッドリー・クーパーの倅(ジョン・トラボルタ似)がとにかくいけ好かない!
最後に射殺もされないし、ああゆう金持ちのボンボンがのさばるのを実生活では嫌というほど見てきているから、せめて映画のなかでは観たくなかった。だから射殺して欲しかった。
そんでもってラスト直前の松林のくだりで、どうしてブラッドリー・クーパーはあんなに謝らなくちゃいけないのか?理解できない。親を殺してしまったから?だったら適当に育ててしまった自分自身の子供に大しても引け目を感じないのかね?
とはいえ、おいらも日頃から乗っているバイクがかっこよく描写されているのがなにより嬉しい作品ではありました。
ちなみに最後にバイク買うシーンはやっぱりエンデューロのバイクを買わないとダメでしょ!?
ずっしりくる
『ブルーバレンタイン』の監督で今回も非常にずっしり来る、また見終わった後いろいろ喋りたくなる映画だった。特に子供に会えない男にはたまらないものがある。
ライアン・ゴズリングはくたくたのTシャツを着ててもかっこいい。ブラッドリー・クーパーは『世界に一つのプレイブック』と同じ人とは思えないような全く違ってキリッとしていた。顔立ちも違って見えた。エヴァ・メンデスは『バッドルーテナント』の売春婦。好きな映画の人がたくさん見れた。
ブラッドリー・クーパーの息子のクズっぷりが最高だった。グランドセフトオートに散々出てくるタイプ。
(追記)
WOWOWで放送していたので久しぶりに見返した。オレの2013年のベストワン映画だったので、ハードルを目いっぱい上げてまた見たのだが、やはり大傑作だった。
ライアン・ゴズリングのパートが1時間くらい、ブラッドリー・クーパーのパートが40分くらいで、息子のパートが40分くらいと、三部構成になっていた。父親と息子の前半後半みたいな印象だったが、ブラッドリー・クーパーのパートがかなり濃厚にあった。
改めてすごくよかった。人生のままならなさを、アウトサイダー寄りに優しい目線で描いてくれていると思う。
息子は父親のように流れ者になってしまいそうだったが、父親ほどの華がないので、そんなに人生の甘味を味わうこともなさそうで、ちょっとかわいそうだった。
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