劇場公開日 2012年5月26日

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「名古屋ロケ」MY HOUSE クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5名古屋ロケ

2019年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

あの、堤幸彦監督作。不安でいっぱいだけど、
これが堤監督の撮りたかった作品、という事で、
今までの映画はやらされてました、て告白しちゃってる作品。

全編モノクロで台詞も殆ど無く、登場人物も少ない。
ホームレスの鈴さんを軸に、
その対局として中学生ショータは優等生、
その母トモコは夫が医者で極度の潔癖症。

関わりがない、としてるが関わりはあって、
トモコの出すゴミを鈴さんが毎日受け取っていた。
その事実をショータがあるきっかけで知り、
更に内緒で買っていたカメを父に殺され、
ショータが暴走し始める。

ホームレスの視点から、都会というものは、街の幸の宝庫であり、
「働く所も、住む所もあるぞ」と誘われても拒否したのは、
家も仕事も無くても生きていけるし楽だ、という事。
そのホームレスを目の当たりにする、
ガリ勉中学生のショータからすると、
こっちは朝から晩まで親や先生の為に勉強させられてるのに、
何の努力もしないで他人のゴミを漁って生きてるなんて、
しかも視界に入ればこちらが不愉快に感じるなんて、
僕の死んだカメは僕に癒しをくれたのに、
てめーらはカメ以下なんだから殺されて当然だ!、
てな感じだろうか。

生きる事を強要されてる中学生と、
生きるために必死なホームレスとでは、
全く相容れないから最後はあーゆーことになるんでしょう。

視点は面白い。でも結論がぼんやりしてる。
トモコやショータの妹も、もっと日常を描いて欲しかった。
堤作品としては意外な作品でした。
見る価値はあると思います。

全編、名古屋ロケなのがよく分かります。
科学館の前通ったり、ラブホテルは今池だったり、
ホームレスの住処は小幡緑地らしいです。

クリストフ