虹色ほたる 永遠の夏休みのレビュー・感想・評価
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大人に向けられたアニメ作品
テーマの一部に諸行無常的な「別れ」という宿命を乗せている。
2012年の作品
アニメらしいファンタジー
ダム工事によって沈んでしまう村
最後の夏 夏祭りに向けてする準備
そして村を去る人々
さて、
のどが渇いた老人に水を飲ませる少年ユウタ
昭和56年にタイムスリップ
昔ばなしのように展開する物語だが、感動が抑えられなくなる。
ユウタの父 交通事故死という忘れられない過去
迷い込んだのは自分だけだと思い込んでいた。
垣間見てしまうサエコの正体
兄の交通事故死 その原因となった父のバイクと車との事故
現在意識不明のサエコ
彼女が望む「死」 兄との邂逅のため
彼女の選択にはユウタと同じ「諸手続きにかかる時間」が必要だった。
そして、ダム湖に沈む前の「蛍が丘」という場所 聖地
しかし、
ケンゾーは、ユウタより35歳も年上なのが気になる。
また、記憶を消された者同士の再会のシーンはいささか急ぎ過ぎている。
生きる決心をしたサエコの目が失明している設定は良かったが、彼女との再会に工夫が欲しかった。
「オスのホタルは運命の相手を探すために光る」のであれば、二人の再会はもっと特別であって欲しかった。
さて、
神のような老人 聖なるものは不滅なのだろう。
蛍が丘という聖なる場所がダムに沈んでも、そのパワーは変わることがない。
あの場所は、そもそもサエコのために用意されたのだろう。
視力を失っても生きるのか、それとも生きるのをあきらめるのか?
生きることができるのにあきらめる選択をしたサエコに、あの老人には「諸手続きの時間」が必要だったのだろう。
ユウタの諸手続きはついでだと思われる。
サエコの心の内と父の事故
生きるのをやめる選択をしたサエコに、ユウタはひどく狼狽える。
サエコは、自分の選択に少々時間がかかる諸手続きをただ待っている。
しかし突然現れたユウタと過ごすうち、兄のことを忘れていることに気づく。
そうなってしまう自分が「間違っている」と思う。
祭りで着る浴衣は、サエコにとっての白装束だろう。
楽しいはずの最後の夜 夏祭り 花火がとても寂しく感じる。
子供たちでにぎわう夜店に、いたたまれなくなって去る。
ユウタはサエコを追いかける途中にあの老人を見かけたことで、この日がサエコの最後の日だと知る。
「絶対逝かせない」
ユウタは「虹色ほたる」に願いをかなえてもらおうとサエコの手を引き秘密の場所へ向かう。
この物語のもう一つのテーマが、「生きる希望」だと思う。
サエコにとってたった一つの希望が、記憶をなくしてもユウタに見つけてもらうこと。
そのためだったら、失明しても生きる価値を見出せる。
しかし、
失明という代償は大き過ぎる。
最後にあの老人によって奇跡が起こされるが、この物語で描かれている奇跡という「環境の変化」が2012年当時の考え方なのだろう。
ただ、
現代に生きる小さな少女が生きる希望を失うことという設定に心が痛い。
生きることを昭和56年当時の田舎の生活に合わせた設定も面白い。
生きる希望をなくした少女に「生きろ」と必死になって伝えようとする12歳の少年の純粋さも泣けてくる。
この純粋さがサエコに生きる選択をさせたのだろう。
そんな大切な記憶がなくなったサエコは、どうして蛍が丘のイベントにやってきたのだろう?
この些細な部分をもう少し具体的に描いてほしかったが、全体的にはとても感動した。
自分の中にわずかに残る純粋さが大きく揺さぶられた。
この作品は、大人向けのアニメだと思った。
戻ってどうなったの?
30年前にダムに沈んだ村に、少年ユウタがタイムスリップ、謎の老人は一ヶ月で元の世界に戻れるから村での夏休みを楽しみなさいと語る・・。
出会った少女さえ子は何故かユウタを従兄と呼び家に招き入れてくれます、同い年のケンゾ-という友人もできてユウタの不思議な夏休みが始まりました。
終盤になって倒れたさえ子、どうやら彼女も訳アリでタイムトラベラーらしいということは分かったのですが死んだ兄のもとに行ったのか、消えてしまいます。ところが、現代に戻った筈のユウタの前にさえ子が登場、二人の前に蛍がUFOのように飛び交います・・。
一体何がどうなっているのかさっぱり分かりませんが無理やりハッピーエンドのようです。
ファンタジー・アニメに文句をつけるのも野暮ですが、背景描写は美しいものの、人間描写は割とラフ、音楽が松任谷夫妻とは斬新、ただストーリー、とくに終盤が今一でした。
致死量の懐かしさを全身に浴びられる
友人からの勧めで鑑賞しました。「田舎での一夏の思い出」「ノスタルジーを感じられる」ということは聞かされていましたが、それ以外は事前知識なしで鑑賞しました。
結論、懐かしさで死にそう。致死量の懐かしさを浴びました。
とにかく田舎町の人々と自然がノスタルジーを生み出していて、非常に美しいんです。ストーリーもSF的な要素を織り交ぜつつも違和感のない青春物語になっていて良かったと思います。ただ、キャラクターは筆のような太い線で描かれているのに対して背景は非常に繊細に描かれているなど、場所によって作画が全く異なるのは強烈な違和感を感じました。また、ラストの展開も若干蛇足のように感じられ、興が削がれた気分になりました。全体的に非常に面白い作品でしたので、そこはちょっと残念でしたね。
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一年前に交通事故で父親を亡くしたユウタは、カブトムシを取るために父親と以前訪れたことがある思い出の山に来ていた。山からの帰りにゲリラ豪雨に遭ったユウタは山の斜面から足を滑らせて崖から滑落してしまう。命を落としたかと思ったユウタだったが、目を覚ますと30年前の世界にタイムスリップしていた。
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とにかく全編通して懐かしさとノスタルジーが半端ないですね。「自然豊かな夏の田舎町」ってだけで『ぼくの夏休み』的なエモーショナルがあるのに、更に30年前の世界という設定がそのエモーショナルを加速させます。
ノスタルジーを感じさせるだけではなく、意外とストーリー構成もしっかりしていて、後半で伏線が次々回収されていく展開は驚きました。しっかり練り上げられた素晴らしいストーリーです。
大人向けな内容。ケンゾーとの別れの場面は感動的だった。 老人は神様...
大人向けな内容。ケンゾーとの別れの場面は感動的だった。
老人は神様的な何かで主人公ユウタが溺れ死にそうになったのを助けて、一時的にタイムスリップさせた、みたいなはじまり。はっきりとした説明はない。
時間の中に組み込んだとだけ教えてもらい、手続きあるとかいろいろ言われ昭和52年ダムが出来る前の村に飛ばされる。
おばあちゃんと暮らすサエコ、隣の家のケンゾーと約一ヵ月過ごすことになる、元の時代に戻る時にはタイムスリップ前から時間が進んでいないという設定。
兄弟みたいに仲が良いと言われて怒るサエ→サエは実の兄が大好き。サエもユウタと同じくこの時代に組み込まれてた。
ユウタは元の時代に戻りたいと思っているが、サエは戻りたいと考えてはおらず、死んだ兄さんのところへ行くつもり。
サエの兄さんが死んだのはユウタの父のバイク事故に巻き込まれたから。
最後おかしいと思ったのは現代に戻って、サエコと再会する前にケンゾーにも会うが1977年の少年ケンゾーと2010年頃の小6ユウタがタイムスリップで同じ時代の夏休みを過ごしたのだから、時代戻って出会ったらケンゾー30くらい歳上のはず。それなのに同い年かちょい兄さんくらいな絵柄。
サエはタイムスリップしてるからいいけど。
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