「幼少、ひと夏のノスタルジィに生きる」虹色ほたる 永遠の夏休み かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
幼少、ひと夏のノスタルジィに生きる
原作は川口雅幸のネット小説。
【ストーリー】
昨年父親を亡くしたユウタは、父と昆虫取りにきた思い出の場所であるダムのほとりに来た。
おり悪く雨に降られ、ユウタは土砂崩れに巻きこまれて、濁流に流されてしまう。
気がつくとどしゃぶりの雨はどこにもなく、そこにはユウタを不思議そうに見つめる一人の少女。
そこは1977年の日本。
亡き父親との思い出のダムに沈んだはずの村であった。
ストーリーは昭和ののどかな農村での、近代日本の原風景のような生活と人々にスポットを当てたノスタルジックなもの。
そこで一夏を過ごした少年の、成長物語です。
アニメーションが非常に野心的で、ゆるい線で水彩画のような彩色の、高畑勲監督『かぐや姫の物語』にも似た美術。
リアルで的確な動きの人物たちが、生活感に説得力を与えてくれます。
背景もきらびやかで、全体いわさきちひろのイラストをアニメーションにしたような作品です。
失われゆく自然への憧憬とノスタルジィ。
ユウタといっしょに、少年時代にもどれる夏のひとひらの夢のようなアニメです。
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R41さんのコメント
2024年10月20日
コメントありがとうございます。
ノスタルジックな雰囲気たっぷりの作品でした。
私は50代ですが、当時の出来事が蘇ってくるようです。
そしてファンタジー。
彼女がなぜあの会場に来たのでしょうか?
そこだけが不可解でしたが、何か重要なことを見落としているかもしれません。