「対決」その夜の侍 サミータナカさんの映画レビュー(感想・評価)
対決
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この作品を観終わった後、あんまりスッキリしなかった人はいると思う。
確かに、復讐劇なのに、結局殺せなかったのはちょっと腑に落ちない所はありました。全編を通して、最愛の妻を奪われた男が、「あなたを殺して私も死ぬ」と復讐だけを心に誓って生きてきたことを現していたのでそう思うのも無理はありません。しかし決行日が近付くにつれ、復讐はしたい、でも、平凡な生活を送りたい、と思うようになり、決行日では木島に「他愛のない話をしたい」と包丁を持ちながら言ったのは、まさに中村の心の状態を現していると感じた。
木島は、人に暴力を振るいながらも、内心は中村に怯えていた。彼もまた平凡な生活を望んでいたのかもしれない。
そんな男2人の対決シーンは、己の矛盾との対決であるようにも思えた。
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