「アクションはいいがストーリーがちょっと難解」エージェント・マロリー mamemameさんの映画レビュー(感想・評価)
アクションはいいがストーリーがちょっと難解
ジーナ・カラーノのアクションはなかなか良かった。
エージェントがあんなバチバチ殴り合いするかな?という疑問はあるけれど。
なぜストーリーがちょっと難解なのかというと、
1.コブレンツ(マイケル・ダグラス)、ロドリゴ(アントニオ・バンデラス)、ケネス(ユアン・マクレガー)の3人の背景が最初のうちは良くわからない
2.ケネスとマロリー(ジーナ・カラーノ)の関係が良くわからない
3.結局誰が描いた絵図なのかわかりにくい
から。
1については、コブレンツは政府系だから多分CIA、ロドリゴはスペインの諜報機関関係者、ケネスは諜報関係の荒事を請け負うタイプの民間軍事会社(PMSC)、ということが見ているうちにわかる。
わかるのだけど、そういう機関があるという知識を持っていてそこに当てはめることが出来ないと「???」と思ったままストーリーが進んでしまう。
ちなみにポール(マイケル・ファスベンダー)はMI6関連と言ってるけどタダの殺し担当、スチューダー(マシュー・カソビッツ)は後ろ暗い大富豪。特に言及がなかったけど、バルセロナ絡みならもしかしたらカタルーニャ州独立と絡みがあるかも。
2については、途中に出て来る会話から、マロリーはケネスの会社に所属していたが独立し、でもケネスの会社からの依頼は請け負う立場にあるとわかる。サラリーマンが独立して個人事業主になったようなもの。
ケネスのクライアントがマロリーに流れるのでは、という懸念もある。
ケネスとマロリーは人間関係は悪くなかったが、金とクライアントの関係でケネスはマロリーを消しても良いと判断した。
3については、コブレンツは「ケネスが勝手にやった、裏がいる」としか言っていなくて、マロリーはその裏というのがロドリゴだったとケネスが白状して知ることになる。
しかしこの計画-ジャーナリストを救出に見せかけて処理し、更にその処理者としてマロリーをスケープゴートに仕立て上げる-は、コブレンツも了解済みだったはず。
コブレンツは知らなかった風でマロリーと会話しているが、ケネスにマロリーを使うよう強く要請したのはコブレンツだし、ロドリゴにマロリーから電話があったことを知らされてマロリーにコンタクトをわざわざ取ったわけだから、この計画はコブレンツも知っていて進んでいたはず。
ただ、コブレンツは政府機関(もうCIAとしてしまおう)の人間なんで、マロリーがターゲットにしたらそれこそ全力で潰されるだけ。それだけの力があるからコブレンツはしれっとリクルートを提案する。
マロリーが邪魔ならコブレンツとマロリーが会ったタイミングでさっさと殺してそれから帳尻合わせれば済むのに、それをしなかったのはやっぱりマロリーが惜しい人材だと思ったからなのか。
多分、CIAが噛んでいてもこの計画は金とパイプを作ることが目的で、国際情勢的意義は少ない。なのでCIAが表立って動かずに下請け(ケネス)に出した案件なのだろう。
だからマロリーが暴れてもCIAとしては被害は無く、一方CIAも表立って動くわけにはいかない。
最後、ロドリゴの所にマロリーが現れ、そこで映画は終わるけど、その前のコブレンツのリクルートの件があるので、ロドリゴは殺されることは無いと予想される。ロドリゴを殺したらCIAは敵に回るのははっきりしているから。
チャニング・テイタムと同じくらいは痛めつけられるかもしれないけど。