「2012年、今観なければならない作品。」希望の国 matsumoさんの映画レビュー(感想・評価)
2012年、今観なければならない作品。
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「2012年、絶対に観ないといけない作品」という評を、どこかで見かけたが、僕の印象としては「2012年、今観ておかないといけない作品」である。
劇中に「たった1ヶ月経っただけで、もう忘れたのかよ!」という原発のある地域から、ほんの少ししか離れていない地域に住む人達に向けられたセリフがある。
彼らは、ほんの1ヶ月前まで、洗濯物を外に干さず、外出時はマスクをしていたのである。
理由は、もちろん原発から漏れている放射能である。
あの震災から1年半以上が経とうとしている。
この映画を観ることで多くの人は「たった1年半経っただけで、もう忘れたのかよ!」と思いっきり下あごにフックをキメられるだろう。
園子音監督は、この映画を作る時に多くの取材をしたはずだ。
この物語はフィクションだが、実際にこんな物語が存在していたはずだ。
もしくは、これ以上に悲しい物語が存在していたはずだ。
今までは震災について語られた映画はドキュメンタリーがほとんどだった。
それはそれで生々しく感じることが多い。
ただ、フィクションは時としてドキュメンタリーを超える生々しさをぶつけてくる。
我々はもう一度考えなければならない。
フクシマに次いで原発が破壊されたナガシマを、作り出さないために。
もし、作り出してしまったなら、今度こそ日本はおしまいだ。
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