「「面白かった」ではなく「観てよかった」」希望の国 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
「面白かった」ではなく「観てよかった」
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福島のあとに起こったもうひとつの原発事故という想定です。長崎と広島をミックスした意図でしょうか、「長島県」が舞台となっています。
原発事故が起きた後、いかにして生きていけばいいのか、不安と恐怖の中での生活が現実的に日常的に描かれています。そして原発ができること、できたことによる様々な影響の中で、それぞれの人々のそれぞれの立場による思惑が描かれます。
観ていることが本当に苦しい映画ですが、苦しくても目が離せず観続けてしまう映画です。悲しいというのでも同情というのでもないのに、なぜか涙が出てしまいます。
映画が終わったとき、観客は誰一人として口をきかず押し黙ったまま映画館を出ていきました。そしてそれぞれの生活に戻っていくのです。
「面白かった」とは決して言えない映画ですが、誰もが「観てよかった」と思う映画だと思います。
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