「肌に隠された秘密」私が、生きる肌 だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
肌に隠された秘密
屋敷の一室に監禁されボディ・ストッキングをまとった美女ベラの登場シーンからいきなり始まます。彼女の存在、天才医師ロベルとの関係そしてなぜ監禁されてボディ・ストッキングをまとっているのか一切分からず進んでいく物語です、観るものは頭が???のまま、前半はただベラの美しさに見惚れるしかないのです。
美しきロベル妻は、炎に包まれ命は助かったがその姿に絶望し、自殺を選ぶのです。それが故に、助けられなかった形成外科医であるロベルの"究極の肌”への尋常ならぬこだわりが感じられます。
が、常識的に考えるとものすごく変態的な狂気です。軟禁した人間を亡き妻そっくりの美女を作り上げるのですから。しかし、さすがのアルモドバル監督といいたいです。すべてのシーンに無駄がなく美しく、それゆえロベルの異常なまでの行動が美化されてしまいます。官能シーンも幾度かか出てくるのですが、いやらしさが感じられない美しきエロスと感じます。
ただですよ、この映画が変態的な美しさだけで終わるわけはないのです。はい、映画を観ながらずっと引っかかること、それは妻そっくりに変えられる人間はいったい誰なのか?という謎なのです。観終わった後に邦題をよく考えると恐ろしさを覚えました。
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